ビジネスパーソンに必要な「ムダを削る力」

2018/12/3
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「AMERICAN EXPRESS PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。 今週は「ビジネスエキスパートWEEK」として、有識者が選ぶ経営者が読むべきニュースをお届けします。
3日は、圓窓 代表の澤 円(さわ・まどか)さんが出演。
『余計なこと』をやめて売上増。そのすごい経営手腕とは?」(新刊JP)を切り口に、ビジネスのムダをなくすための考え方についてお話いただきました。
「決まってる」からやる
サッシャ 澤さんがこの記事を選んだ理由とは何でしょうか?
 最近、「働きかた改革」についてプレゼンテーションを頼まれることが多いんです。それで働きかた改革について考えていくと、ほとんどの会社が「よかれと思ってやっている」「昔から決まってるからやっている」といった、やるべき理由が不明な業務で時間をムダにしていることがわかったんですよ。
サッシャ 具体的には、どういう風に時間をムダにしているんですか?
 例えば、必要のない定例会議ですね。
議題を聞いても、「その週にあったことを話しています」と言うので、「レポートで閲覧できるようにすれば報告は必要なくなりますよ」と返しています。きちんと考えると会議自体ムダなことがわかるんですが、会議をすることが決まっているから、やめ方がわからなくなってしまうんですよ。
サッシャ まるで学校のホームルームみたいな感覚ですね。
 スケジュールに組み込まれているので、必要かどうか考えずに惰性で続けてしまっている、という状況がとても多いんですよね。
「○○してから」はやめる
 例えば、この記事の著者の氏家さんがやっておられるケンズカフェに関しても、最初は「レストランとはこうあるものだ」という固定概念があったと話しています。
他のレストランがやってるからランチ営業をして、ディナーもやって、そこではデザートも出して、という具合にフレームワークに乗っかっていたと思うんですよね。そのフレームワークから「おかしいな」と思ったムダをどんどん削っていった結果、ものすごい年商を実現できたわけです。
ただ、この「削る」という決断に勇気がいるんですよ。
サッシャ 「ガトーショコラ一本だけでやっていこう」といって、売れなかったらそもそも成り立たないわけですからね。
 だから、まず一歩目を踏み出すこと。私は「0を1にする」という言い方をするんですけど、勇気を持って最初の一歩を踏み出すということがすごく大事なんですよね。
特に日本は、失敗を恐れる傾向がとても強いと感じています。いわば、「石橋を叩いて、叩いて、叩きまくって、ちょっとでも欠けたら渡るのをやめてしまう」という考え方の人が多いと思うんです。
サッシャ 失敗に寛容だとは言いにくい社会ですよね。
 それと、ありがちなのが「○○してから」思考です。
「お金が貯まってから」結婚する。「英語が話せるようになってから」留学する。
「ダイエットしてから」ジムに行く、という話もあります。ジムに行ったときに太ってるとかっこ悪いから、ちょっとやせてから行こう、という。
サッシャ 「いやいや、やせるためにジムへ行くんでしょ?」って話ですよね(笑)。
 だけど、手段と目的がごっちゃになってしまう「○○してから」思考をする人はかなり多いなと思っています。
つまり、丁寧に順序を作っていって行動をするわけですけど、「まずは手を動かす」ことがとても大事なんです。まず動くことで失敗もすぐにできるので、早い段階で軌道修正が可能です。「○○してから」思考でやっていると準備期間が長くなりすぎて、大失敗をしてしまいかねません。
サッシャ コストをかけすぎたことで、かえって傷口が大きくなっちゃうわけですね。
 だからこそ、「計画を早めに回していく」という気持ちを持つといいと思います。これは起業だけでなく、全てのビジネスにおいてプラスになる考え方です。
あたりまえを疑う
サッシャ 必要のない定例会議のような、余計なことをやめる企業は増えているんですか?
 だんだん増えてきています。やはりこれだけグローバルな競争が激しくなってきている中で「何かしないといけないよね」というのと、後は限られたリソースや時間で行動を起こさないといけないとなると、当たり前のことですが、余計なことをどんどん削っていく必要が出てきますよね。
ただ、必ずしも全部がうまくいってるわけでもなくて、「ムダなことを削るためにムダな会議をしてる」人たちもいるんですよね。
サッシャ まずいスパイラルですね(笑)。
 「ムダを見つけるために会議をしよう」とか言って、それで結論を出してくれればいいのですが、検討ばかりで決定事項がなかったりするという。それではあまりよろしくないです。
三原 ムダを削ろうとしても、その了承を誰かに得ないといけない場合は、難しいですよね。
 責任者を決めて、もっと任せてしまえばいいんですけどね。
外資系の特徴的な考え方として、「オーナーシップ」というものがあります。その道20年のベテランであろうと1年目の駆け出しだろうと、オーナーはオーナー。責任の所在をはっきりさせるわけです。責任が重いぶん、成功した場合の報償はオーナーの総取りになります。
つまり、責任の所在がはっきりしていて、賞賛を一身に浴びられるという状態。日本の企業にも、こういうメリハリがあってもいいのではと思います。
サッシャ ムダを削るためには、なんとなくやっている当たり前なことを疑うべきなんですね。
澤さんの新刊『あたりまえを疑え。 自己実現できる働き方のヒント』では、やはりそういったことが中心に語られているのでしょうか?
 はい、この本にはそういったことを書かせていただきました。やっぱり常識に囚われると安心しちゃうんですよね。「考えなくても、とりあえず乗っかっていけば大丈夫」と思ってしまうので。
サッシャ ひな形に沿うだけなら簡単で安心ですもんね。
 事務作業だったらひな形に沿っていていいんだけど、果たして人生はそれでいいのだろうか、ということですよね。
人生には、「0を1にしていく」アントレプレナーシップが大切だと思います。
今回のニュースをはじめとした澤さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
12月4日は、XTech 代表の西條 晋一さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】
放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: AMERICAN EXPRESS  PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
提供:アメリカン・エキスプレス
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