【総論1万字】私がMBAで学んだこと、絶対学べなかったこと

2018/12/3
MBAは経営の実践で本当に使えるのか──。
サントリーホールディングスの新浪剛史社長は、新卒で入った三菱商事時代に、ハーバード大学経営大学院(ハーバード・ビジネススクール)に社費留学。1991年にMBAを取得した。
帰国してから4年後、30代半ばで三菱商事の社内ベンチャー、ソデックスで社長を務め、43歳でローソンの社長になった新浪氏は、MBAをどうキャリアに生かしてきたのか。
新浪剛史(にいなみ・たけし)サントリーホールディングス社長。1959年横浜市生まれ。1981年三菱商事入社。1991年ハーバード大学経営大学院修了(MBA取得)。1995年、ソデックスコーポレーション(現LEOC)代表取締役。2000年、ローソンプロジェクト統括室長兼外食事業室長。2002年、43歳でローソン代表取締役社長。2014年より現職。59歳。

周りは金融やコンサル思考ばかり

──経営者としてのキャリアの中で、MBAはどう役立ちましたか。
新浪 私がMBAを取ったのは、ほとんど30年も前のことなのですが、当時は日本経済が絶好調で、「ジャパン・アズ・ナンバー1」と言われて、日本人がかなり留学していました。
1年目で、経営のフレームワークはほとんど全てを学びますが、今もすごく考えさせられるのは、2年目に学んだ「企業文化がどうあるべきか」という講義です。
──具体的には、どのような講義ですか。
新浪「マネジメント・プラクティス論」という講義で、外国人の同級生は、みんな「あの講義はつまらない」と言っていました。でも、私には、学ぶものが大きかった。