2018年11月に「イノベーション」で紹介した「社会の課題を解決する技術」に関する記事から、注目記事5本をお届けいたします。

1. スマホ操作でメンタル診断、うつ病の「謎」に迫る米スタートアップ 

米国国立精神衛生研究所(NIMH)の元所長を含む3人の医師が設立したMindstrong Healthが、スマホの日常的な操作からユーザーのメンタル・ヘルスに関する情報を得るためのスマホアプリを開発。日常生活に支障をきたすことなく、長期間にわたる観察が可能になることで、うつ病の早期発見などに効果を発揮する可能性がある。

2. ブロックチェーンで廃棄プラスチックを仮想通貨に変える「プラスチックバンク」

使用済みのプラスチックを回収してリサイクルし、製造業者や大手小売業者などに販売するビジネスを展開するカ「Plastic Bank」。プラスチックを現金ではなく一種の仮想通貨で買い取るとともに、その仮想通貨を使って食料や水、日用品などを購入できる画期的な仕組みをつくり上げている。

3. 都市のゴミを航空燃料に変えるフルクラムの戦略

カリフォルニア州プレザントンに拠点を置くFulcrum BioEnergyは2019年、ほとんど無料で入手できる地方自治体の固形廃棄物を回収して、旅客機を動かす燃料「ジェットA」に転換する予定だ。ジェットAは現在、1ガロン当たり5.2ドルで販売。難易度が高い廃棄物発電分野だが、この価格とコストであれば有効とみられる。

4. 怒鳴り声や悲鳴を認識、学校のいじめをリアルタイムで通知するAI

ソーター・テクノロジーズが開発したフライ・センスは、AI機能によって音量の大きな変化を捉える。学校でトイレに連れ込まれて嫌がらせをされたり、脅されたり、殴られたりするといった時に、怒鳴り声や悲鳴をセンサーが認識。先生のスマートフォンにアラートすることで、大事になる前に食い止めるのが狙いだ。

5. 未来を切り拓くサイエンス・テクノロジー6つの挑戦【前編】

学生を対象に東京で開催された「IBM Research Experience Day」では、IBM東京基礎研究所の研究員が自らの研究を紹介。本記事では「IBM Research 研究最前線」と題したセッションから「世界最小コンピューター」「セキュア・ウォレット」「100%安全な強化学習」の3つのトピックスについて最先端の研究内容を紹介する。
(バナー写真:Olivier Le Moal/iStock)