[ソウル 30日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は30日、大方の予想通り政策金利<KROCRT=ECI>を25ベーシスポイント(bp)引き上げ1.75%とした。利上げは昨年11月以来で、国内不動産市場の一部で見られる過熱の抑制などが狙い。

ロイターが調査したエコノミスト16人のうち、15人が利上げを予想していた。今回の引き上げにより政策金利は2015年半ば以来の水準となった。

当局者はソウル周辺の不動産ブームや消費者融資の拡大を巡り懸念を強めている。

ただ、理事会メンバー7人のうち2人は据え置きを主張。李柱烈(イ・ジュヨル)中銀総裁は、反対票について、政策決定を取り巻く現在の世界的な先行き不透明感が背景だと述べた。

中銀の声明文や総裁会見では、今後の金融政策の見通しは示されなかったが、アナリストの間では来年の追加利上げは難しいとの見方が多い。

KB証券の債券アナリスト、Kim Sang-hun氏は「追加利上げが正当化できるのは、経済成長が鈍化しない場合のみだが、逆の予想が大半を占めている」と指摘。中銀の見通しは楽観的すぎるとの認識も示した。

今回の政策決定や総裁会見に対する市場の反応は限定的。市場では米中首脳会談などに注目が集まっている。

李総裁は会見で、将来の政策決定では「経済情勢と金融状況の双方を検討する」と述べたが、政策の方向性やタイミングには触れなかった。

0333GMT(日本時間午後0時33分)現在、ソウル株式市場<.KS11>は0.4%安。国債先物3年物<KTBc1>は0.02ポイント下落。

韓国では景気が減速、低インフレが続いており、国内不動産市場もすでに過熱感が薄れつつある。ロイター調査では、少なくとも来年いっぱいは金利が据え置かれるとの見方が多い。

アナリストの間では、過去数カ月間の世界的な市場の混乱によって中銀は政策変更に適した時期を選ぶことが難しくなっているとの見方が出ていた。

大信証券のストラテジスト、Kong Dong-rak氏は「最近の世界的な不透明感を踏まえると、中銀は最適なタイミングを選んだ」と述べた。その上で、金利は来年を通じて据え置かれる可能性が高いとの見方を示した。

*内容を追加しました。

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