暗号通貨の次は医薬品管理:ブロックチェーンの次なる応用
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注目のコメント
これまでのブロックチェーン業界を誇大宣伝と言ったところは、先日私がパネラーとして登壇した際にお話したことと同じで、共感できるのですが、その後は、何だか甘く考えていて、同じ穴のムジナだなと感じます。
ブロックチェーンは不特定の参加者がお互いに牽制し合うことでデータの真正性を担保する仕組みです。
個別に調剤された医薬品のボトルに貼られたラベルとブロックチェーン上のデータの整合性を保証しても、ラベルと中身の整合性は、調剤、窓口、患者など関係者の信頼性に頼ることになるので、大した信頼性向上にはならないと思います。
ブロックチェーンが向くのは、デジタルだけで閉じられたり、IoTなどによって実世界とデータの乖離を防ぎやすい分野に限られると思います。
追記
帳簿を付けることが重要で、現場の人の信用に頼る面はある程度仕方ないという考え方を良しとしてしまうと、そもそもブロックチェーンで帳簿の信用を担保する必要がない、それこそみんなでスプレッドシートで管理すれば良いという話になってしまうと思います。
また、ここで対象にしている医薬品のようなものは、後から検査して成分、分量が情報と一致するから良いよねと言うような緩い管理ではダメで、中身が変わっていない、手を加えられていないことの保証が必要だと思います。
厳密に管理されなければならないものほど、やはり情報と現物の整合性は重要と考えます。
補足
医薬品の管理にブロックチェーンが使えないと言っているわけではなく、プログラムだけで解決できるという考え方が間違いだと思います。
調剤用の機材や容器と一緒に保証するべきものだと思います。
そこが「甘い」と書いた理由です。医薬品分野は様々な可能性が長いスパンで考えられますが、医薬品の偽造などは一つキーワードになるかもしれません。詳細はこちらに書きました。
https://note.mu/marketingoversea/n/n19726e389a5d医薬品のトレーサビリティはブロックチェーンとの相性が良いと思います。
情物一致が難しい限り、人の信用に依存することになるので、ブロックチェーンはデジタルデータの追跡にしか適用できないんじゃないか?という声がありますが、確かにそういうことが難しい事もあるかもしれませんが、それは、物事が中途半端に行われていて、どこかに「誤魔化し」が利く余地があるからです。
わたしも、はじめのうちは情報と物の一致というものは、真贋鑑定技術で解決するのが鍵と考えていました。たしかに、それは重要な技術ですが、それよりも「物の出入りを誤魔化せないようにする」「誤魔化しが発覚しやすい状態にする」管理の方が大切であることに気づきました。
物の出入りを正確に把握する「帳簿」として考えた時、何をその帳簿(ブロックチェーン)に記録するべきか?そこが、まず設計のポイントになるでしょう。
そこには、技術面だけではなく、行動心理なども要点になってくるでしょう。
医薬品についていえば、正常な流通経路に置いては「誤魔化し」をすることが長期的にメリットになる人が存在しませんから「誤魔化しを相互監視し、もし誤魔化しを発見したら、正しい摘発を行う事が経済的メリットになる」報酬プログラムをブロックチェーン記録の約束事にするわけです。
ブロックチェーンにデータを記録する仕方の設計は、本当に多彩なスキルや経験を要求する学際領域にあります。
単純に、データを記録するだけでは効果が半減してしまうのです。
そういう、残念な設計のシステムを見て、まだ早い技術なのかと落胆して「使えない」と断じるのか、よぉし、それなら俺が「使えるようにしてやろう」!思うかは、自由ですね。