大企業とスタートアップがタッグ！　駅や鉄道などインフラサービスはこう変わる

2018/11/7

NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」（毎週月～木 9：00～13：00）と連携した企画「AMERICAN EXPRESS PICK ONE」（毎週月～木 11：10～11：20）をスタートしました。 今週は「ベンチャー起業家WEEK」として、起業家が選ぶ経営者が読むべきニュースをお届けします。

7日は、ecbo代表の工藤 慎一（くどう・しんいち）さんが出演。「駅や鉄道をビジネス飛躍の場に！2018年度スタートアッププログラム23件の採択を発表」（マイナビニュース）を切り口に、スタートアップが大企業とタッグを組む意義をお聞かせいただきました。

鉄道とベンチャーの連携

サッシャ　取り上げるのは「JR東日本スタートアッププログラム2018の採択企業が発表された」という記事です。そもそも、どんなプログラムなのでしょうか？

工藤　JR東日本が持っている情報資産やスペースといった「リソース」と、スタートアップの持っている「技術」。その二つを合わせて大きなビジネスをやっていこう、というプログラムです。

2017年に採択された例としては「AIを活用した無人コンビニ」を手がけたサインポストや、「訪日外国人向けに無料SIMの配布」を行ったWAmazingなど、多種多様なスタートアップが選ばれました。

また、私が代表を務めているecboも採択されまして、東京駅の活用されていない空間を事前予約が可能な荷物預かり所に変えるサービスなどを実現しました。

サッシャ　第2回目となる2018年は「23の企業が採択された」とのこと。工藤さんが注目している企業は？

工藤　個人的に注目している企業が2つあります。ひとつは、「駅ナカの混雑予想をするAI」のメトロエンジン。もうひとつは、「無人オーダーカフェ」のShowcase Gigです。

メトロエンジンは、JR東日本が保有している「人の流動や交通についてのビッグデータ」を最先端AIで分析して、混雑予想からダイナミックプライシングにつなげるなどのサービスを行っています。

Showcase Gigの「無人オーダーカフェ」は、駅ナカに設置された「無人オーダー端末」や専用アプリを使って事前注文ができる、というサービスです。

寺岡　急いでいるときほど「駅の中で買い物をしたい」ことがありますからね。ニーズがあるサービスだと思います。

工藤　米国のスターバックスなどでも、似たような取り組みが始まっています。専用アプリで事前注文すると、来店してすぐに商品を受け取ることができて、支払いは登録したクレジットカードで自動決済できます。

こうしたサービスは、日本にはまだまだ浸透していないので、大きな可能性があると思います。

インフラ・サービスを拡張する

サッシャ　採択された23の企業全体からは、どんな「JR東日本の将来的なビジョン」が見えるとお考えですか。

工藤　今までは「電鉄会社としてのインフラ事業」のイメージが強かったJR東日本も、今後はそれ以外のビジネスを求めているのでは、と思います。

また、時代の流れとして、人口減少にともなう業務改善、効率アップが求められているのではないか、と。

私たちが本プログラムの担当の方とコミュニケーションを重ねる中でも、AIを活用した無人化による業務改善を狙っているのではないか、と感じることがありました。

サッシャ　大きなインフラを持っている企業なので、それを活用する方法はいろいろありそうですね。

例えば、都会の混雑とは対称的に、地方に行くと1時間に1本しか来ない駅もありますよね。電車が来ない「残りの59分」を使って、そこでコンサートをやってしまうとかね。

寺岡　待ち時間が楽しくなりますね（笑）。

工藤　実際、昨年採択された中には「お祭りを可視化する」スタートアップもありました。そういった「都心に集まっている人をどんどん地方に流す」という施策も可能性がありそうです。

サッシャ　テクノロジーを使えば「駅」という施設をもっと有効利用できそうですね。

工藤　JR東日本は「人を運ぶ電鉄会社」としてのイメージをお持ちの方が多いかと思いますが、実は物流会社も手がけています。そのリソースを使えば、昨今増えている荷物の再配達問題を解決することができるかもしれません。

サッシャ　「コンビニ受け取り」のように「駅で受け取る」ことができたらいいですよね。駅なら会社帰りに必ず通るでしょうから、荷物が届いていたら改札口で「荷物が届いてますよ」と教えてくれるとか。

工藤　未来的でいいですね（笑）。

サッシャ　2019年、一緒にやってくれる企業を募集しようかな（笑）。

今回のニュースをはじめとした工藤さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。

11月8日は、ニューロスペース 代表の小林 孝徳さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】
放送局：　J-WAVE 81.3FM
番組タイトル：　AMERICAN EXPRESS  PICK ONE
ナビゲーター：　サッシャ、寺岡歩美（sugar me）
放送日時：　毎週月～木曜日11:00～11:20（ワイドプログラム『STEP ONE』内）
提供：アメリカン・エキスプレス
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そう、ビジネスには、これがいる。
いつも、どんなときも、ビジネスをサポート
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番組WEBサイトはこちらをご覧ください

コメント

注目のコメント

• 工藤 慎一

  ecbo Inc. 代表取締役社長：経営者

  ・2018年11月07日

  荷物預かりサービスecbo cloakを運営しているecboの工藤です。
  今回Pickしたのは、JR東日本の第２回スタートアッププログラムで採択企業が発表された記事です！弊社も2017年の第１回に採択をされました。
  協業した正直な感想としては、提携する前は「動きが遅い印象なのでは？」と思っていたJR東日本が、実はベンチャーよりもはるかにスピード感をもって動いている会社なんだと実感しました！事実、東京駅構内の空きスペースを使って荷物預かりサービスを展開するまでほんの数ヶ月でできました。
  
  最近よく聞かれる大企業のオープンイノベーションですが、大企業側の意図しては、圧倒的に持っている「社内リソース」を、自分たちの頭で考えて生かすより、ベンチャーと取り組んだ方がスピード感を持って利益を上げられるのがあります。
  一方で多くのベンチャーは、イノベーティブだがリソースが足りないため、いいものを作ってもスピード感を持って成長していくのが難しい実態があります。
  
  こういう両者が、今以上にタッグを組んでいけば、
  ・大企業はリソースの有効活用による、売上＆利益率増加に繋がり
  ・ベンチャーはより短期的に成長できる
  と感じてます。
  
  もっとこういう事例が増えてほしいですね！
• 梅本 龍夫

  慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授

  ・2018年11月07日

  「私が代表を務めているecboも採択されまして、東京駅の活用されていない空間を事前予約が可能な荷物預かり所に変えるサービスなどを実現しました。」（記事引用）
  
  タワーマンションの公共スペースでecboを導入すれば、宅配便の受取利問題がかなり解消する可能性がある。ついでに、住民が交代でコーヒーなどを低価格で提供すれば、そこが素敵な交流スペース（サードプレイス）に早変わりするかもしれない。地域コミュニティの古く懐かしい姿のニューバージョン。
• 横田 響子

  コラボラボ（女性社長.net） 社長／お茶の水女子大学客員准教授

  ・2018年11月08日

  大企業もようやくオープンイノベーション、ベンチャー協業を軽やかに行うフェーズに。
  
  今月末、まさにJR×ベンチャー。
  ミニマムスタートとなる実証実験に関するベンチャープレゼンと大賞選出の場がある。
  
  また弊社が企画で絡む、女性起業者×大手のマッチングも幅広い業種で大手が参加してくださいます。
  
  なんちゃってオープンイノベーションから本気へ。少しずつ変化の兆しを感じる。