[東京 30日 ロイター] - 東京海上日動火災保険は2018年度下期に、国内債の投資残高を数百億円程度削減する。超低金利が続き投資魅力が乏しいこと加え、来年前半には日銀がマイナス金利の撤廃など金融政策の正常化に動く可能性があり、国内金利には上昇余地があるとみているためだという。

投資運用部グローバル債券投資グループ担当部長の岳俊太郎氏はインタビューで、日銀が22日に公表した金融システムリポートで「地域金融機関の収益への影響を深刻に捉えているスタンスが見えた。良い機会があれば早めにもう少し、金利を上げるような手に出るのではないか」と指摘。「来年前半にもう一段の正常化の動きがあってもおかしくない。そうなれば、マイナス金利撤廃(の可能性)は排除できない」と話した。

金融政策変更の前提は、それまでに世界経済、金融市場が堅調さを取り戻していること。来年夏には参院選、10月には消費増税が控えているが、金融政策の正常化で安倍政権が「デフレの平成は終わった、とアピールしたいと考えるかもしれない」(同)という。

国内債は上期中にも数百億円程度削減した。

外債投資は、通期でヘッジ外債を数百億円程度積み増すとの計画に沿って順調に進捗。「計画の半分程度は実行できた。ただ、欧州は英の欧州連合(EU)離脱やイタリア問題などの懸念があり、その帰すうを見極めたい」(財務企画部課長の田島正裕氏)といい、上期は米ドル建ての社債などが中心となった。下期も米国が多くなりそうだという。

国内株も通期で1000億円減の計画通りに進捗、下期の外国株投資は横ばいを予定している。

各市場の見通しは以下の通り。▼はマイナス。

日本10年債利回り ▼0.1─0.3%(年度末0.1%)

米10年債利回り   2.5─3.5%(同3.2%)

日経平均      2万0500─2万6500円(同2万4000円)

ドル/円       104─117円(同112円)

ユーロ/円      123─140円(同130円)

(基太村真司、ダニエル・ルーシンク)