映画『Search/サーチ』は、奇抜な“インターネット映画”では終わっていない:『WIRED』US版レヴュー
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「Search」見た。監督のチャガンティーはこの記事によるとインド系新聞でM・ナイト・シャマランの写真を見て「俺と顔が似てる」と気になったことから映画監督の道を目指したという。大丈夫か!?と、シャマラン信奉者ならざる身としては心配になるエピソードだが(そして信奉者からは「シャマランの悪口言うな!」と怒られそうだが)、映画はなかなか面白かった。
全編がPC画面で行われる縛りがありながらも、スクリーンセーバーが映ることで主人公がオフラインであることを示したり、電話しながら相手のエゴサーチをかけるなどの画面上の行動により心理描写を補完させるなどといった、PC画面ならではの表現が面白くなる。
PC画面縛りがハンデであるのは、視線の動きや切り返し編集といった人物の感情を表す際の古典的な映画手法を封印せざるを得ない点だろうが、その一方、マウスポインタの動きが移動中にフッと止まったり、テキスト入力ウインドウに一旦入った文字をやっぱり消したりなどの動きが感情の動きを雄弁に描いている。これもほかの映画で全くやらない表現ではないが、寒い場合はテキスト入力しているメッセージをテロップで主人公の表情にオーバーさせたりしてしまうのに比べ、機微の表現がこのへんの動作だけに収斂してくる(しかも、それはルールとして観客も承知している)ので、とても効果が高くなっているのだと思う。うまいやり方だなーと感じた。細かいところでは色々気になることもある(あのカメラちゃんと片付けたのかよ後でバレたら大変だぞ、とか)が、総じて、見てよかった映画と思う。