[東京 25日 ロイター] - 東芝<6502.T>は英国の原子力発電事業子会社、ニュージェネレーション(ニュージェン)を清算する方向で最終調整している。複数の関係筋が25日、明らかにした。

売却に向けて、カナダのブルックフィールド・アセット・マネジメント<BAMa.TO>と協議してきたが、条件が折り合わず清算もやむ得ないとの判断に至った。すでに減損処理をしていることから、追加的な損失は限定的となる見通しだ。

ニュージェンは英国北西部ムーアサイドで原発建設を計画していたが、東芝の米原子力子会社だったウエスチングハウスが昨年に経営破綻したことを受け、計画が停滞。共同パートナーだった仏電力大手エンジー<ENGIE.PA>が出資を引き揚げ、東芝は売却先を探していた。

韓国電力公社(KEPCO)<015760.KS>とも売却交渉を進めたが、8月にとん挫。ブルックフィールドに交渉先を変えていた。

関係筋の1人によると、KEPCOとの交渉は現在も継続している。しかし、同社との交渉は長期化し、売却交渉が合意に達するかどうか不透明感が強まったため、清算の方向に傾いていた。

東芝の広報担当者はロイターに対し、「英国政府をはじめとしたステークホルダーとよく相談し、KEPCOへの売却を含め、あらゆる選択肢を検討していく」と述べた。

KEPCOの広報担当者は「ニュージェンが清算されるという計画は認識していない」と述べた。

(布施太郎 山崎牧子 編集:田巻一彦)