[ルクセンブルク 23日 ロイター] - ユーロ圏の常設金融支援機関である欧州安定メカニズム(ESM)のレグリング総裁は23日、イタリアの自由放漫な財政計画は懸念されるが、他の欧州諸国への影響の波及はこれまでのところ「非常に限られている」ため、パニックになる理由はないと述べた。

総裁は記者会見で「われわれはイタリアについて懸念している」としつつ、イタリアの債務問題は10年にわたってユーロ圏の支援が必要とされたギリシャの債務問題とは違うと強調した。

総裁は、イタリア債利回りの上昇で同国銀行の問題が拡大していると指摘。ただ、イタリアの銀行の問題は、スペインが2012年にESMに救済を求めた時のスペインの銀行の問題とは異なるとも強調した。

総裁は「イタリアでは(銀行の保有するイタリア債の価値低下により)国内銀行セクター内で伝染が起きている」とし、これは銀行の調達コストに反映されているとの見方を示した。

また「1─2行」のギリシャの銀行も、イタリアからの伝染の影響を一部受けているが、こうした銀行は、巨額の不良債権という問題も抱えているとの認識を示した。

*内容を追加しました。