[アンカラ 18日 ロイター] - サウジアラビア人反体制記者ジャマル・カショギ氏がイスタンブールのサウジ総領事館訪問後に消息を絶った問題で、トルコの警察当局がイスタンブール近郊の森などで遺体の捜索を行っていることが、2人のトルコ高官の話で明らかになった。

高官らによると、トルコ捜査班はまた、サウジ総領事館と総領事公邸の家宅捜索で「多くのサンプル」を採取したという。今後、カショギ氏のDNAサンプルが含まれていないかどうか調べる。

トルコ側はカショギ氏が総領事館内で殺害されて遺体が館外に運ばれたとの見方を示すが、サウジ側は殺害疑惑を否定している。この問題を巡りサウジと米国及び欧州諸国との関係が悪化するとの懸念が強まっている。

前出の高官らによると、トルコの当局は、カショギ氏が失踪した今月2日にサウジ総領事館や総領事公邸を去った自動車がたどったルートの分析結果に基づき捜索範囲を拡大。殺害犯などは遺体をイスタンブール近郊の「ベオグラードの森」やイスタンブールの南90キロに位置する都市ヤロヴァに近い農村に捨てた可能性があるという。

捜査当局は18日、サウジ総領事館の2度目の家宅捜索を実施。高官らによると、総領事館と総領事公邸からは土や水を含むサンプルを採取したという。

トランプ米大統領は同日、カショギ氏について、すでに死亡しているとの見方を示した。米国はサウジに「非常に厳しい」対応を取る見通しだとした上で、実際に何が起きたかの真相を依然として探りたい意向を示した。