[ジュネーブ 17日 ロイター] - イラン国営石油(NIOC)のアリ・カルドル最高経営責任者(CEO)は、米国がイランの原油輸出をゼロまで削減すると呼び掛けていることは「政治的なはったり」だと批判した。イランのタスニム通信が17日に伝えた。

米国はイラン産原油を対象とする制裁を11月4日に発動する予定で、同盟国にもイラン産原油の輸入を削減するよう要請している。カルドル氏は「米大統領は可能なことを全てやってきた。イランの石油輸出をゼロにするというのは政治的なはったりであることも十分に分かっているはずだ」と述べた。

イラン学生通信(ISNA)によると同氏はまた、原油輸出の代金受け取りで問題は全くないと強調。必要ならばドルではなくユーロで決済することが可能だとした。「欧州の支援があるため、何の問題も起こり得ない」と語った。

カルドル氏は、2週間以内に外国企業1社と石油契約を新たに結ぶとの見通しを示した。それ以上の情報は明らかになっていない。

一方、国営イラン通信(IRNA)によると、イラン外務省は、米国が16日にイランの民兵組織「バシジ」と関係があるイランの銀行や企業を制裁対象に指定したことについて、米国は「心理戦」を繰り広げているとして批判。外務省のカセミ報道官は「イラン国民に対する米政府の悪意の表れで、法的および国際的な仕組みへの明白な侮辱」と述べた。