[上海 17日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)元金融政策委員の余永定氏は、中国が輸出を押し上げるために人民元の価値を低く抑えているとの主張は「完全にばかげている」と指摘した。17日付の中国国営英字紙チャイナ・デーリーが報じた。

現在、中国社会科学院の教授を務める余氏は、米財務省が今週公表する予定の為替報告書を前に見解を述べた。

報告書で中国が為替操作国に認定されることはない見込みだが、ムニューシン財務長官ら米当局者は人民元の下落に懸念を表明している。

同紙によると、余氏は人民元の価値を低く抑えるというよりむしろ「異常な資本の流出」を防ぐ措置など、中国は相場支援に向けた対策を取ってきたと指摘した。

また米中貿易戦争が一段と激化した場合、中国は「最悪のシナリオに十分備える」べきと警鐘を鳴らした。