【小笹芳央】「金銭報酬」に加えて「感情報酬」を大切にせよ
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麻野さんホントにいいこと言うなぁ。昔、会社の先輩が「お前、誰から給料もらってると思ってんだよ」と私に説教しました。その方、当時の上司と仲良しで、上司は私の扱いに手を焼いていたわけです。私は普通に「お客さん」と回答すると、頭をバシッと叩かれ(痛かった)、「会社だろバカ!」と言われ、「(ええーっ!そういうこと!?)」と思ったのをよく覚えてます。
今や給料を会社が払ってるなんて考えるのは論外だとして、「お客さんが払ってる」ということも「だから?」という時代でもあります。給料や売上で人が動いているわけでも経済が動いているわけでもありません。
何で動いているのかは昔から「感情」なのであり、その感情を動かすものが金銭や指揮命令ではなくなってきているのですから、いったい何が感情を左右し、それによって何が行動や結果を左右するのか明らかにする努力が必要ですね。どれだけロジカルかつ合理的な仕組みを整えたとして最終的には人の感情って意外にシンプルだったりする。アジアにおいても制度や仕組みと人間臭さのマネージメントのバランスが大事だなとつくづく思う。
経済学の世界では、人間の選択や行動に「感情」を組み込んだ「行動経済学」で2002年にダニエル・カーネマンが、2017年にリチャード・セイラーがノーベル経済学賞を受賞しました。
経営の世界では人間の報酬に「金銭」に加えて「感情」を組み込んだ「エンゲージメント経営」がこれから世界的な潮流になっていくでしょう。
ビジネスに「感情」は持ち込むべきではありませんが、好む好まざるに関わらず、「感情」は持ち込んでしまうもの。
一見、非合理的に見える「感情」の存在を認め、うまく扱った方が合理的なことは、経済も、経営も同じです。
「給料もらってんだからつべこべ言わずに働け!」という経営者や上司は化石のような存在になる時代が来ます。