[サンノゼ(米カリフォルニア州) 16日 ロイター] - ソフトバンクグループ<9984.T>のマルセロ・クラウレ最高執行責任者(COO)は、サウジアラビア政府を批判していた同国出身の著名記者がトルコで行方不明になった問題について「世界中のほとんどの関係者と同じく、われわれは事態の推移を注視している」と述べた。

ハイテク企業中心に投資するためにソフトバンクが設立した「ビジョン・ファンド」の資本金は、サウジアラビアが半分近く出資しており、今回の事件を巡ってサウジとの関係に不透明感が生じたことから、今週同社株が値下がりする場面があった。

クラウレ氏は、当地で開かれたIT(情報技術)業界の会合にソフトバンク傘下の英アーム・ホールディングスを代表して出席。ビジョン・ファンドの支援を受けた企業は通常通り事業活動をしていると説明した。

ビジョン・ファンドを巡っては、サウジのムハンマド皇太子が今月、ブルームバーグのインタビューで、450億ドルを追加出資する方針を明らかにした。

出資の打診があればソフトバンクは受け入れるかとの記者団の質問に対し、クラウレ氏は回答を控えた。その上で「確実ではない」とし、第2のビジョン・ファンドに関する「日程は定まっていない」と述べた。

アームのサイモン・シガース最高経営責任者(CEO)は、ソフトバンク傘下に入ってから急速な拡張が可能になり、過去2年で2000人を雇用した結果、従業員は6000人になったと明らかにした。

業績については、公開企業だった時期より小幅だが黒字だとし、IoT(モノのインターネット)技術について米スプリント<S.N>と連携するなど、ビジョン・ファンドの支援を受ける他の企業との協力を模索していると説明した。

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