[ロンドン 16日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した統計によると、6─8月の平均週間賃金(除くボーナス)は、前年同期比3.1%増と約10年ぶりの大幅な伸びを記録した。

ロイターがまとめたすべてのエコノミスト予想を上回った。

ボーナスを含む賃金は2.7%増。予想の2.6%増をやや上回った。

イングランド銀行(英中央銀行)のハルデーン理事は先週、賃金上昇の「新たな夜明け」の兆しがあるとの認識を示していた。

同国では、失業率の急低下にもかかわらず、これまで賃金が伸び悩んでおり、エコノミストの間に困惑が広がっていた。

発表を受けて市場では、中銀の次の利上げ時期を織り込み直す動きが広がり、ポンドが対ドルで上昇した一方、英国債価格は下落した。

インベステックのエコノミスト、フィリップ・ショー氏は、英国が来年3月に欧州連合(EU)から円滑に離脱できる合意に達すると仮定して、次の利上げは来年2月、その後、来年中にさらに1回の追加利上げがあると予想。「賃金は、低成長局面から脱却しつつあるのかもしれない。そうであれば、中銀は利上げへの傾斜を強めるだろう」と述べた。

6─8月の失業率は4.0%で横ばい。40年ぶりの低水準を維持した。

ただ、就業者数は5000人減と、約1年ぶりに減少。ロイター調査では1万1000人の増加が予想されていた。

統計局はこの減少について、今年前半に比べて求職中の学生が減ったことが一因と説明した。

*内容を追加しました。