[東京 16日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の112円前半。米金利上昇や株高が支援する形で朝方からじり高となった。国際政治面で複数の懸念材料が残るものの、急速な円高進行に対する不安はやや後退し、下値では買い注文も観測されている。

ドルは朝方に安値111.74円を付けた後、米長期金利の上昇に伴って買いが優勢となり、112円台を回復。日経平均が後場一段高となった場面では円売りも加わり、112.15円まで強含んだ。

サウジアラビアの記者失踪を発端とした緊張の高まりや、英国の欧州連合(EU)離脱交渉に関する不透明感、米財務省の為替報告書の公表などリスク回避を誘発しそうな材料があり、上値追いには慎重な姿勢も残るが、下値では買い意欲もみられるという。「日本の投資家や個人は111円半ばでドル買いで待ち構えている」(FX会社)との指摘も出ていた。

テクニカル的には111円半ばにある日足一目均衡表の雲上限がサポートとして意識されている。ドル/円は今月4日以降、連日で高値水準を切り下げてきており、「きょう112.30円台を回復できれば安心感も強まる」(国内証券)との声もあった。

米10年国債利回りについては「直近ピークの3.26%台に近づけば株安警戒が再燃しそうだが、現行水準の3.17%台ではまだ影響は出ない」(国内金融機関)との見方が出ていた。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 112.08/10 1.1568/72 129.69/73

午前9時現在 111.83/85 1.1581/85 129.52/56

NY午後5時 111.76/79 1.1577/81 129.41/45

(為替マーケットチーム)