ブラックホールではダークマターを説明できない? 米研究機関が明らかに
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ダークマター(暗黒物質)とは、宇宙上の現象を説明するうえで不可欠な、光を発しないが質量は存在するという謎の物質だ。宇宙に存在する物質のうち約84.5%は、この見えない物質から成り立つ。
ダークマターを原始ブラックホールだと考えるアイディアもそのひとつで、1970年代にスティーブ・ホーキンス博士らが論文で提案している。
ビッグバン爆発時に形成されたと考えられる原始ブラックホールは、巨大ブラックホールよりも質量が小さく、1キログラム未満のものから、太陽の質量の数千倍のものまで幅広い。
1990年代まで原始ブラックホールのアイディアを証明できなかったため、その可能性は次第に忘れ去られていった。ところが2015年にブラックホールの合体で生じた重力波を検出したことで、原始ブラックホールを使ってダークマターを説明する機運が高まった。
研究グループが着目したのが、ブラックホールによる重力レンズ効果だ。
そこで2014年以降に発見された740もの超新星や爆発した大質量星の解析を開始、ブラックホールによる重力レンズ効果によって巨大化あるいは明るくなった超新星等が存在しないことを突き止めた。
「統計的解析により、ダークマターの大部分、少なくとも約60%はブラックホールではないことが明らかになった」という。
比較的なだらかに分布した軽いダークマターモデルを確証するのが我々の目的だ」とスマカラレギ氏は語る。ダークマターの正体を説明する理論が期待される。