[ロンドン 12日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は12日、過去6カ月の増産により、石油市場には「当面、適度な供給がある」とみられるが、石油業界は、世界の需要増加への対応で圧力に見舞われつつあるとの月報をまとめた。

世界の余剰生産能力はすでに、世界の需要の2%にまで低下しており、一段の低下が予想されるという。

「こうした重圧は、しばらく続く可能性があり、価格上昇を伴う可能性が高い」としている。

IEAによると、石油輸出国機構(OPEC)、ロシアなどの産油国や米国のシェール業者が5月以降、石油生産を日量140万バレル増やした。

OPEC全体では5月以降、日量73万5000バレル増産した。

一方、イランの生産は9月に2年半ぶり低水準に減少した。

IEAは米国の新たな制裁が発動する11月までこうした落ち込みが続くと予想している。

IEAは、世界の石油需要の伸びの予測を今年・来年とも日量11万バレル下方修正し、それぞれ日量128万バレル、136万バレルとした。

「経済見通しの悪化、貿易に対する懸念、原油価格上昇、中国のデータの修正」が背景という。

経済協力開発機構(OECD)の8月の商業在庫は、1570万バレル増の28億5400万バレルと、2月以来の高水準。

第3・四半期のOECDの在庫は、4300万バレル増加したとみられ、四半期ベースでは2016年第1・四半期以降で最大の増加となったもよう。