米司法省、CVSによるエトナ買収を承認-巨大ヘルスケア企業誕生へ
コメント
注目のコメント
CVSはアメリカの至る所にあり、しかも処方せん医薬品の販売もしており、まずはかかりつけ医、クリニックにかかることが多いアメリカでは身近な存在です。
アメリカは日本の皆保険と異なり、個人や会社の福利厚生で医療保険に加入しなくてはいけませんが、保険会社やプランによって支払いされる医療機関(例:いきなり専門病院にはかかると支払われずかかりつけ医の紹介状がないと給付されない)、薬剤(例:後発品が優先される)が決められています。
アテナが提供する医療保険でカバーされる処方せん医薬品をCVSで受け取るような流れを作っていき、バリューチェーンを垂直統合することにより差別化を図っていくのだと思います。保険制度が異なる日本では起きにくい垂直統合かも知れません。
Amazonはピルパックを買収したり、JPモルガン、バークシャーハサウェイと
3社の従業員と家族向けにあらゆる医療とヘルスケアを提供する会社を設立するなどヘルスケア関連の動向が気になりますが、消費者データ、圧倒的な物流網、保険、調剤薬局、インシュアテックなど、自社の強みと掛け合わせてじわじわと侵出しています。
今後のアメリカのヘルスケアのバリューチェーンがどのように再編、ディスラプトされていくか目が離せません。
Bloomberg記事参考:
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-12-03/cvs-is-said-to-buy-aetna-for-67-5-billion-remaking-industry昨年末に合意されたと報じられたCVS(ドラッグストア)によるエトナ(医療保険)の買収案件、ようやく本日承認された、との報道。
医療保険業界は買収が相次ぎ、独占禁止法抵触のおそれもあり、司法省からストップがかかっていました。一部業務の売却などを実施し、ようやく承認がえられたようです。
米CVSヘルス:医療保険のエトナを買収へ-7兆6000億円で
https://newspicks.com/news/2667219CVSは、アメリカ小売ランキングの第5位。ちなみに6位もドラッグストアチェーンのウォルグリーンです。アメリカのドラッグストア業界はこの2社が最大手として君臨し、Rite Aid社が独立系ではその後ろに続きます。そのほかは、スーパーやディスカウントストア所有のドラッグストアという構成です。寡占化の進んだ業態と言っていいかも知れません。
リアル小売はAmazonに市場を取られている業態なので、新しいモデル確立を急いでいるところです。
ドラッグストアチェーンランキングの8位にはSears も載っていますね。規模の経済が重要な業態なので、ランク外の小さいチェーンはより厳しくなるかも知れません。
http://www.ryutsu-shisatsu.com/article/15718096.html
https://www.beckershospitalreview.com/lists/10-largest-retail-pharmacies-in-america.html