[東京 4日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル安/円高の114円前半。ドルは一時114.55円まで上昇し11カ月ぶり高値をつけたが、戻り売りに押された。また、日経平均の下げ幅が拡大したことで上値の重さが意識された。ただ、下値は米長期金利の上昇により支えられている。

朝方の取引でドルは海外高値を上抜け、114.55円と11カ月ぶり高値を付けた。しかし、久々の高値圏とあって上値では国内勢が売りに回ったといい、114.28円まで反落。午後に入ると日経平均が下げ幅を拡大したことで114.21円まで下押しした。

円は他通貨に対しても底堅い動きとなり、ユーロは131円前半へ、豪ドル/円も81円前半へ下落した。

財務省によると、本邦勢(居住者)による外国中長期債の買い越しは9月23―29日の週に3799億ドルと、前週の1兆5030億ドル、前々週の2兆3290億ドルから大幅に縮小し、9月中旬の「外債爆買い」が収束した格好となった。

市場関係者によると、爆買いの背景には、期末をにらんだ外債ポートフォリオの入れ替えや、平均購入コストの調整のための追加的購入があったとされるが、前日から「米長期金利が大幅上昇したことを考えれば、日本勢が中旬に買った外債の多くでは損失が発生している」(証券会社)とみられる。

米10年国債利回りは、9月中旬の2週間に2.93―3.09%のレンジを推移していたが、この日は3.2320%まで上昇し、7年超ぶりの高水準となった。

米30年国債利回りも3.39%台と2014年9月以来の高水準に到達。14年秋以降上限となってきた「3.25%の壁」を突破した。

市場では「あまりにも急な(米債利回りの)上昇だ。経済指標が良かったとはいえ、これほどの上昇の裏には、良好なファンダメンタルズのみならず、大手投資家によるロングの投げなど、テクニカルな要因があったと考えられる」(外国銀)との見方が聞かれた。

ドルは昨年3月に115円台を割り込んで以降、114円半ばの突破を4回にわたって試したが、反落する展開が続いてきた。しかし、今回は長期金利上昇の支援もあり、114円半ばを上抜けする可能性もでてきた。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 114.31/33 1.1472/76 131.15/19

午前9時現在 114.49/51 1.1474/78 131.40/44

NY午後5時 114.53/54 1.1476/80 131.45/49 

(為替マーケットチーム)