[ニューヨーク 25日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルがやや軟調となった。米連邦準備理事会(FRB)はこの日から2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開始したが、今回のFOMCを含め年内はあと2回の利上げが実施され、来年も数回の利上げがあるとの観測が市場ではほぼ完全に織り込まれているため、ドルの一段の上昇余地はほとんどなくなっている。

FRBは今年に入ってから2回の利上げを実施。今回のFOMCではFRBの経済認識のほか、将来的な利上げの道筋に関するガイダンスが注目されている。

フォレックス・ドットコム(ロンドン)の市場アナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は「利上げ決定の公算が極めて大きく、すでに織り込まれていることから、ドル相場がどのような反応を示すかはFRBが示すフォワードガイダンスのほか、ドット・プロット(今後の政策金利の推移を点で示したグラフ)次第だ」と指摘。

LPLフィナンシャル(シャーロット)の首席投資ストラテジスト、ジョン・リンチ氏は、FRBがデータに依存する柔軟な政策を維持するとし、「インフレを巡る見解に変化があれば市場は荒れる」と予想。ただこのところの指標に基づくと、FRBが「インフレリスクは均衡しているとの見方を引き続き示すと予想される」とし、「中立金利に近づくにつれペースが緩む可能性を残しながら、緩やかな利上げを継続していく余地があると考えている」と述べた。

午後の取引で主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.1%低下の94.120。 ユーロ/ドル<EUR=>は0.2%高の1.1771ドル。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は前日、ユーロ圏の基調的なインフレの加速は「比較的旺盛」とし、賃金の伸びと経済成長は継続すると自信を表明。これを受け、前日の取引でユーロは3カ月半ぶりの高値を付けていた。この日、プラートECB専務理事が前日のドラギ総裁の発言について「目新しいことは何もなかった」と述べたものの、ユーロの地合いが悪化することはなかった。

一部アナリストは、イタリア連立政権が来年度予算案を巡り妥協案で合意するとの兆候が出ていることがユーロの支援要因になったとの見方を示している。

ドル/円<JPY=>は0.1%高の112.92円。日銀が25日に公表した7月の金融政策決定会合の議事要旨で、一部委員から超緩和策がはらむ危険性をより真剣に検証する必要があるとの見解が示されたことが材料視された。