[東京 25日 ロイター] - 政府系ファンドの産業革新機構を改組した産業革新投資機構(JIC)が25日発足し、社長に就任した田中正明氏が会見し、年度内にベンチャーやプライベート・エクイティ(PE)ファンドを立ち上げる方針を明らかにした。投資規模は当面、2兆円超を想定する。

田中社長は会見で、同機構の目的について「産業競争力の強化と未来の産業の育成」と表明。そのうえで「フィディーシャリー・デューティー(受託者責任)にのっとって最終受益者である国や国民、民間投資家の背後にいる最終受益者に報いる」と強調した。

さらに「日本の金融機能の回復には資本市場の育成、インベストメントチェーンの拡充が喫緊の課題。世界からみてわが国を代表する投資機関として認められるようにしたい」と述べ、民間ファンドと協調しながらリスクマネーの供給体制を構築していくとした。

年度内には、ベンチャーや未公開株に投資するPEファンドなどを立ち上げる方針だ。

田中社長は、1977年に旧三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行、三菱UFJフィナンシャル・グループ副社長などを歴任している。