[ロンドン 22日 ロイター] - 英有料テレビ大手スカイ<SKYB.L>の買収を巡る入札が22日に行われ、米ケーブルテレビ大手コムキャスト<CMCSA.O>の提示額が1株当たり17.28ポンドと、米娯楽・メディア大手21世紀フォックス<FOXA.O>の同15.67ポンドを上回った。英企業買収規制機関のテイクオーバーパネルが明らかにした。

コムキャストの提示額に基づくスカイの評価額は306億ポンド(400億ドル)となる。

コムキャストはスカイ買収により、約5200万人の顧客を持つ世界最大の有料テレビ運営会社となる。

コムキャストのブライアン・ロバーツ会長兼最高経営責任者(CEO)は今回の買収について「迅速かつ効率的に意味のある形で顧客ベースを増やし世界的に事業を拡大することが可能になる」と述べた。

これとは別に、ウォルト・ディズニー<DIS.N>はフォックスの映画・テレビ関連資産の大半を710億ドルで買収することに合意しており、これにはスカイの株式39%が含まれる。

フォックスは保有するスカイの株式39%を巡る選択肢を検討しており、いずれ発表を行うとした。

関係筋2人によると、フォックスが既にスカイ株を保有していることから、コムキャストはフォックスの提示額を大幅に上回るオファーを示さなければ、フォックスが優位に立つ可能性があると考えていたという。

スカイの社外取締役は22日、コムキャストによる買収案を支持すると表明した。

スカイのジェレミー・ダロックCEOはコムキャストが競り勝ったことについて、新しい章の始まりだとし、今後は勢いがさらに加速していくと語った。

スカイ株を保有するファンドマネジャーは、コムキャストの提示額には誰も文句が付けられないとした上で、「問題はフォックスが(保有株を)売却するか、そうでなければコムキャストが過半数の株式を取得できるかどうかだ」と述べた。

コムキャストのスカイ買収は、フォックスを率いるメディア王ルパート・マードック氏にとって打撃となる。同氏は約8年前にもスカイ買収を目指したものの、傘下の英新聞事業が関与する電話盗聴事件の影響で断念した経緯がある。

フォックスは2016年にスカイの完全子会社化計画を発表したが、その後コムキャストも買収に名乗りを上げた。