[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は14日、ECBがデジタル通貨を発行する計画はないと述べた。デジタル通貨の基幹技術が依然脆弱である上、ユーロ圏では依然、物理的なキャッシュの利用が多いためとしている。

ビットコインといった仮想通貨の急速な広がりを受けて、中銀が独自のデジタル通貨を発行すべきか議論が繰り広げられている。

スウェーデン中銀は、現金の利用が減り、電子決済が増えていることを受けて、クローナのデジタル版「eクローナ」を発行するか検討している。

しかし、ドラギ総裁は、ユーロ圏ではまだ機は熟していないと指摘。欧州議会の議員あての書簡で「ECBおよびユーロシステムは現在のところ、中央銀行のデジタル通貨を発行する計画を持っていない」と述べた。

総裁は、分散型台帳といった技術が「さらにかなりの開発」が必要とし、デジタル版ユーロを発行する「明確な必要性」はみられないと述べた。

ECBの調査によると、2016年のユーロ圏での販売取引の支払い方法で現金は79%を占め、金額ベースでは54%を占めた。

しかし、14日に公表されたECBのデータでは、現金以外の支払いが増えており、17年はカード払いを中心に非現金決済が7.9%増加した。