なぜ「砂不足」が世界にとって大問題なのか?
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注目のコメント
ぜひ、ご覧になっていただきたい内容です。
建設材料、特にコンクリートに使用する砂不足の問題については①の記事で詳しくコメントしましたが、砂は欠かせない建設材料であり、しかもどんな砂でもいいと言うわけではないのです。
コンクリートは人間の手で岩石をつくろうという試みですが、岩石をつくる最も簡単な方法は岩石をそのまま使用することです。
このためコンクリートは体積の7割程が石や砂などの鉱物で構成され、残りの部分がセメントと水で構成されます。
水やセメントは石や砂を繋げるための接着剤のもの、あるいは料理における卵などの「つなぎ」のようなものと考えてください。
石や砂をコンクリートの用語では「骨材」と呼びますが、このうち粒径が5mm以下の小さい砂を「細骨材」、5mm以上の大きな石を「粗骨材」と呼びます。
コンクリートの骨材に求められる性能は、堅硬で耐久的、つまり強度があって化学的に安定であることが求められます。
さらに角みが取れて丸く、かつ粒径(サイズ)が分布していることが求められます。
ビンの中にものを詰める時、角ばったブロックよりも大小のビー玉の方が隙間なく詰まりやすいのはイメージがつくと思います。
こうした理由で川の流れで角が取れて、かつ海水塩分を含まない川砂がコンクリートの材料には適しています。
これが建設ラッシュによって枯渇してしまっている、という状況は日本国内でも全く同じです 。
特に西日本や瀬戸内海を中心に骨材資源の不足問題は近年顕在化しつつあります。
現在では山の岩石を砕いた砕石・砕砂や、洗浄した海砂を広く使用していますが、これらをセメント同様に産業副産物で代用しようという試みが最近では広く行われています。
たとえば金属精錬時に発生するスラグや、コンクリートゴミから回収される再生骨材など。
これらの人工骨材は品質管理が難しく自然骨材で作ったコンクリートと同等の性能を出すことは簡単ではありませんが、こうした材料にシフトしていかないとコンクリートが作れない未来がやってくるのは明らかです。
【①アメリカで砂が足りない! 意外な理由】
https://newspicks.com/news/2772957/人工骨材ってやはり要求特性を満たせるものを作るのが難しいのですねー。技術課題が一覧できて勉強なります。製鉄所のスラグだとかを骨材利用できたら最強リサイクルになりそうだと思うのですが、まだまだ遠き道のりですね。