物議を醸すナイキの新キャンペーンは、アスリートの役割の変化を象徴する
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マイケルジョーダンやタイガーウッズが広告塔だった頃は、スポーツの精神やHEROのあり方がNIKEからのメッセージでした。
最近ではアスリートが世の中の問題を提示して、それに立ち向かう意思を応援するものに変わってきた。NIKEは長年の広告で培ってきたDNAのせいでしょう、under armour やadidasより一歩抜きん出ています。反応に敏感なミレニアルや有色系の人たちは、これを契機にNIKE支持に切り替えたことが容易に想像できます。実際コリンキャパニックの広告の後、セールスは31%伸びたとのこと。世界は確実に変わっています。
http://time.com/5390884/nike-sales-go-up-kaepernick-ad/
”人は夢を見るのはcrazy だというけれど”で始まるNIKEのこのCM、Appleの名作キャンペーン"Think Different"を彷彿させます。そこに”Just do It” が加わるので、なおさら”自分でもcrazyなことができるかも”と思わせるのでしょう。いい広告だと思います。個人的には、”彼は減量してアイアンマンになった。脳腫瘍が見つかった後に”のあたりでグッときました。NIKEほど、社会に対する意思表明を表すブランディングができている企業は他にない気がする。なんやかんや、企業はスポーツ自体をお金を生むビジネスとして「しか」捉えきれていないところが多い。
"時代の変化とともに、アスリートや彼らをサポートする企業の役割も変化するべきだ。スポーツは、もはやどれだけ勝つかが問題ではない。コリン・キャパニックやレブロン・ジェームズ、セリーナ・ウィリアムズらが、勝負を超えたところで何かを信じていること、それが大事なのだ。"
アスリートって、スポンサーとして企業がついている分、ストレートに自分の考えていることや信念を発信しにくい部分があると思うけど、キャパニックは自分を曲げずに、自分の思いを表現した。
富や名声よりも、自分の誠実さを大事にする事、自分自身であり続けることは、口では簡単だけど、当事者は簡単にできるもんじゃないなと
目の前の勝ち負けや利益だけを追いかけるのではなく、そのアスリートの持つバックグラウンドやストーリーに目を向けて、応援してくれる企業やファンがもっともっと、増えたらいいと個人的に思います。
「何かを信じるんだ、全てを犠牲にすることになったとしても。」
p.s
この記事では、若干NIKEディスり入っているのが少し残念。
やらない善より、やる偽善(やる善も含むよ)だと思っている自分は、
業績アップ狙ってるどうのこうのよりも、この一企業が社会的意思表明したところは、評価してもいいと思います。「何かを信じるんだ。すべてを犠牲にすることになったとしても。」
コリン・キャパニックが言うからこそ、重いメッセージになる。
それにしてもナイキの新しいCM動画、泣けました…。