World's first commercial-operated composite rail vehicle unveiled in Changchun by CRRC
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注目のコメント
中国の長春市(Changchun)の鉄道会社が、炭素繊維複合材料(CFRP)で出来た世界初の鉄道車両(実際は、路面電車(トラム))を導入したとのこと。
本車両には、最先端の技術を統合した「光バレー量子」が搭載(なんだこの造語は?)されており、炭素複合素材に代替することで、総重量を金属製メトロ車体と比較して約35%低減し、時速80km/hの最大収容人数368人を有するとのことです。
あとは車両構造をCFRPにより構成することにより、鉄鋼材料に比較して、超軽量化、エネルギー消費量の削減、ライフサイクルコストの削減、ラインダメージの低減。それだけで終えず、断熱効果、耐疲労性、耐食性、良好なメンテナンス性、修復性などなどこの記事では褒めちぎっています(笑)
これまでに日本では航空機へのCFRPの導入が既に始まっておりますが、鉄道車両への適用は聞いたことがありません。今後検討されていくでしょうか?週末ピッカーの鉄道建築マニアのヤマサキさまに少しお伺いしてみたいところです。。
■当該企業のプレスリリース
CRRC Successfully Finishes the R&D of the World First Metro Carbody Made of Full-carbon Fiber Composite Materials
http://www.crrcgc.cc/en/tabid/7389/sourceId/10408/infoid/290248/Default.aspx
ヤマサキさん
すごい知らないことばかりで勉強なります。言葉や表現がなめらか!そして、とっても解りやすくてご丁寧にありがとうございました。Jstageと会わせてじっくり読んでみたいと思います!Yamazaki様
ファーストPickありがとうございます!
鉄道建築というと、たまに車両の設計と思われるのですが、すみません全くそこは経験がなく、人並み程度の知識しか持ち合わせていないです。。
と・いうコメント残しても面白くないなと思ったので、週末に向けて手当たり次第、本読みました。自分なりにコメント残します。
日本の鉄道車両の主材料は大きく3つです。スチール、アルミ、ステンレス。FRPは先頭車両などの一部の複雑な形状の部分に使われます。
新幹線では300系(1992年)からアルミ形材が採用されました。初代のスチール材料と比べると重量差は967t→711tまで軽減。そしてさらに現在最新モデルのN700S系はアルミ形材ダブルスキン構造によって700tを切るまで軽量化できています。ダブルスキン構造とは段ボールのように表と裏の皮の間に補強材が入っている構造で、これまでの柱・梁を溶接し骨格をなした構造から一気に進化を成し遂げました。これにより得たものは軽量化だけでなく、高い遮音性で、乗り心地や静けさが大きく向上しています。
さて、ここまでざっくりですが970t→700tで28%減!
とすると、記事にあるCFRPの35%減が褒めちぎられるのも無理がない気がしますが、過度の軽量化は新幹線にとって剛性と遮音性の不足を招きます。加えて強風時の転覆にも当然弱くなります。現行の技術レベルでは今の重量がバランスの良い点に達しているのかな・というのが私見です。
CFRPの採用についてはJ-Stageで見つけた論文(※)が面白かったので良ければ〜。論文中にある新幹線の頭蓋骨のような写真には少し萌えますね。重量だけでなく、コストも35%減したら在来線一般車両などで爆発的に普及するかもしれませんね!笑
(車両設計などにお詳しい方いらっしゃいましたら、ご指摘いただけますと助かります)
※https://www.jstage.jst.go.jp/article/materia1994/43/5/43_5_392/_pdf
追記:Yamazaki様
こちらこそありがとうございます!NPで繋がってる方々は、いつも好奇心を増幅させてくださり、自分の分野と他の分野両方に刺激をもらってます。感謝感謝です本当。