[上海 1日 ロイター] - 中国共産党の機関誌「求是」は1日、米国との貿易摩擦は短期的に、中国の金融安定などに悪影響を及ぼす可能性があるが、同国経済の安定成長の基礎が変わることはないとの見解を示した。

同誌は論説記事で、米中貿易・経済摩擦は「中国の経済成長、金融安定、貿易・投資、雇用・人々の暮らし」を阻害する可能性があると指摘。特に、米国の関税措置の対象となる業種で影響が見込まれるとした。

「ただ、同時に、中国の経済発展の基礎的条件は変わらないことを認識する必要がある。特に、中国の経済構造はここ数年で大幅に改善したため、外的ショックへの耐性が実質的に強まった」とした。

これらの摩擦を「引き起こした」のは米国だが、中国は核心的技術の研究・開発を加速し、産業構造を最適化、市場の多様化を推進、内需による支援を高めることで「悪い状況を良い状況に変える」と表明した。

また、中国のマクロ経済運営は悪影響に対抗する「政策上の十分な余地」があるとし、財政政策が「内需拡大や再編においてより大きな役割」を果たす可能性があると指摘した。

さらに、金融政策の波及メカニズムの阻害要因を取り除き、小規模企業を中心に実体経済への投資に資金を誘導することで、高い借り入れコストなどの問題を緩和し、金融業界と実体経済のリスク耐性を強化することが可能になるとした。

「米中経済・貿易摩擦は時間の経過とともに、中国にとって好ましい方向に展開することになる」と主張した。

これとは別に、鍾山商務相は求是に寄稿し、「均衡が取れた貿易の推進に向けて積極的に輸入を拡大」するよう呼び掛けた。また、中国は「知的財産権の保護を強化し、外国人投資家の正当な権利と利益を保護、中国への投資に好ましい事業環境を構築」する必要があると指摘した。

そのうえで、中国は「市場アクセスを大幅に改善」すると表明。「金融業界の開放を着実に拡大し、サービス業の開放を引き続き推進、農業・鉱業・製造業の開放を深化させる」とした。