[東京 31日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の111円付近。ドル/円ではこう着感が広がる中、前日のアルゼンチンペソの急落に加えて、アジア時間ではインドルピーやインドネシアルピアなどの新興国通貨の弱さが目立った。

ドル/円は日経平均が下げ幅を200円近くまで拡大した場面で110.88円まで弱含んだが、その後の日経平均の下げ幅縮小とともに持ち直した。中国で発表された製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想を上回ったことが安心材料となったという。

ドルは当面109円半ばから112円半ばのレンジ相場が続くとみる向きが多く、市場からは「リスクセンチメントを主語に動いているうちは111円付近から大きく離れられない」(国内証券)との声も出ていた。

「スイスフラン、円、ドルの3通貨がリスクオンで売られ、リスクオフで買われるという流れが続いている。ドルと円が共に同じ方向を向くので、ドル/円相場は動きづらくなる」と、みずほ証券チーフFXストラテジストの鈴木健吾氏は言う。

オプション市場では、ドル/円ボラティリティー1カ月物25%デルタが約1%の円コールオーバーと、参加者が円高を若干警戒していることが示されている。

しかし、「本気で円高を警戒しているときには、3%近くまで円コールオーバーが進むので、現時点の円高警戒はマイルドなものにとどまっている」と鈴木氏は指摘する。

新興国通貨は不安定な値動きを続けた。

インドルピーが過去最安値1ドル=71ルピーを付けたほか、インドネシアルピアは1ドル=1万4725ルピア付近と、2015年9月以来の安値をつけた。インドネシア中銀は31日、為替及び債券市場に「断固として」介入すると表明した。

インドネシア統計局が発表した7月の貿易赤字は20億3000万ドルとなり、ロイター予想の6億ドルを大幅に上回った。貿易赤字を巡る懸念はルピアを圧迫している。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 110.97/99 1.1678/82 129.63/67

午前9時現在 111.00/02 1.1663/67 129.49/53

NY午後5時 110.96/01 1.1670/73 129.50/54

(為替マーケットチーム)