[ニューヨーク 30日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。米国が来月に新たな対中関税を課すとの懸念が高まる中、リスク選好が後退し、株価が下落。新興国通貨が大きく下落したこともドル押し上げにつながった。

ブルームバーグは30日、トランプ米大統領が来週のパブリックコメント期間終了後、2000億ドル規模の中国製品に追加関税を発動させる意向だと報じた。ロイターはこの報道の真偽を確認していない。

この報道を受け、オフショア人民元<CNH=>とオーストラリアドル<AUD=>が対米ドルで約1週間ぶりの水準に下落した。

一方で、ドルも安全資産とされる円<JPY=>に対して下落。終盤は0.6%安の111.05円。

テンパスコンサルティングのシニア外為トレーダー、フアン・ペレス氏は「ドルは貿易摩擦のニュースから恩恵を受けたのは確かだが、最終的に市場が注目しているのは、米経済の堅調なファンダメンタルズだ」と述べた。

午後の取引で、ドル指数<.DXY>は0.2%高の94.738。

北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉はこの日、カナダと米国の3日目の協議が行われた。両国は週内合意に向けて話し合いを続けており、これまでの進展について楽観的な見方を示している。

カナダドル<CADUSD=R>は、28日に付けた2カ月半ぶりの高値から押し戻され、0.6%安の76.96米ドル。

この日発表された7月の米個人消費支出は前月比0.4%増となり、ドルを下支えた。

一方、新興国通貨ではアルゼンチンペソ<ARS=RASL>が対ドルで急落。一時は約15.6%下落して最安値を更新した。アルゼンチン中央銀行はこの日、主要政策金利を45%から60%に引き上げ。31%を超えるインフレ率を制御すると同時に、自国通貨の一段の下落を食い止めたい考えだが、ペソ安には歯止めがかかっていない。

このほか、メキシコペソ<MXN=>が0.7%安、南アフリカランド<ZAR=>は1.3%下落した。

ドル/円 NY終値 110.96/111.01

始値 111.56

高値 111.58

安値 110.96

ユーロ/ドル NY終値 1.1670/1.1673

始値 1.1697

高値 1.1699

安値 1.1642

(表はロイターデータに基づいています)