[15日 ロイター] - 15日の米国市場で株価が値下がりした。専門家の見方は以下の通り。

<サントラスト・アドバイザリー・サービセズの主任市場ストラテジスト、キース・ラーナー氏>

足元の市場心理はとりわけ新興国市場に対して脆弱で、為替がドル高に振れていることも不安材料だ。この日の下げ要因は中国株安が大きい。当局のゲーム関連規制が打撃とみられ、ハイテク株への売りが膨らんでいる。中国が新興国市場に占める割合は3割超と巨大だ。

新興国市場に対する当社の判断は「中立」だ。その理由としては、1)相場は1月の高値から約20%下落しているが、過去の下落率は平均で年21%と、足元ほぼこの水準に到達していること、2)バリュエーションは現時点で2016年以来の割安水準であること──が挙げられる。

米国市場で現在見られる動きは、主に新興国市場からの余波といえるが、そうした状況でも例えば小型株は前日最高値を更新したし、S&P指数は最高値まで約2%の水準に迫っている。市場は6月下旬以降、かなり底堅く推移している。

マイナス点を挙げるとすれば、ドル高が進むことで新興国市場は一層不利益を被るほか、ドル高は全米の多国籍企業の業績にも影響を及ぼす恐れがあるということだ。企業の好業績は強気相場の重要と根拠になっているが、ドル高が強まれば業績リスクも拡大することになる。

<3エッジ・アセット・マネジメントの主席投資ストラテジスト、フリッツ・フォルツ氏>

新興市場は多くの意味で魅力的だが、ドル高にはあらがえない。そのため、今は取引をすべきではない。長期的には新興市場は非常に魅力が大きいとみている。人口動態的にも非常に興味深く、さらに大きく成長するだろう。

2014、15年は割安感から多くの人が新興市場の株式に流れたが、その動きを促進するものがなかった。当時もドル高が進んでいたからだ。現在もドルが新興市場に大きな圧力となるという同じような状態にあり、現状では極めて厳しい状況にある。

<アラン・B・ランツ・アンド・アソシエーツ社長、アラン・ランツ氏>

きょうの売りを加速させた真の要因は、アジアを率いる中国インターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)だ。さえない決算となり、米企業にはこれまで見られない内容という点から衝撃が走った。6月以降、アジア市場の当該分野は3割近く下落している。こうした下押し圧力が蓄積され、想定以上に悪い結果をもたらしたと言える。

関税やドル高、市場で先週末以来話題になった材料に新たな要素が加わったようだ。何も解決されず、状況が進行しつつある状況にみえる。

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