[ロンドン 15日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比2.5%となり、ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致した。

CPI上昇率は前月まで3カ月連続で前年比2.4%となっていたが、7月は昨年11月以降で初めて上昇が加速した。

経営者団体IoDのエコノミスト、Tej Parikh氏は、「今回の指標は、生活費の圧力が過去の話でないことを示す」と述べ、原油高や公共サービス料金の上昇などを指摘した。

前日発表された4─6月の賃金は前年比2.4%上昇。賃金の上昇率は金融危機前を下回り続けている。7月CPI統計は、家計が所得とほぼ同ペースの物価上昇に直面していることを示した。

Parikh氏は、賃金の鈍い伸びは消費支出の抑制につながり、経営の苦しい企業に新たな問題を突きつけることになると指摘した。

イングランド銀行(英中銀)は8月初めに政策金利を引き上げた際、インフレ率が7月に2.6%に上昇した後、鈍化すると予想していた。

CPI上昇率は昨年11月に5年ぶりの高水準となる3.1%を記録した。この時は、欧州連合(EU)離脱が決定した国民投票後のポンド安のインフレ効果が最も反映された。

7月のCPIを項目別にみると、コンピューターゲーム価格や輸送費が上昇する一方、衣料品価格が下落した。

また、小売物価指数は前年比3.2%上昇と、2017年3月以来の弱い伸びとなった。

7月の英生産者物価投入指数の上昇率は前年比10.9%となった。伸び率は1年超ぶりの大きさだった。50%を超す上昇となった石油価格が寄与した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は10.4%だった。

産出指数の上昇率は前年比3.1%と、6月の3.3%から鈍化した。ただコンセンサス予想の3.0%は上回った。

不動産市場は、英EU関係の不透明感などで陰りがみえる。

6月の英国全体の住宅価格は前年比3.0%上昇と5月の3.5%から鈍化し、伸び率は2013年8月以来の低水準だった。ロンドンの住宅価格は0.7%低下。下落率は2009年9月以来の大きさだった。

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