[ニューヨーク 14日 ロイター] - ニューヨーク外為市場は、ドルが主要通貨バスケットに対し1年1カ月ぶり高値を付けた。トルコリラ急落に伴う影響懸念から、安全資産とされるドル保有を増やす動きがみられた。トルコリラは過去最安値から持ち直したが、トルコに対する欧州金融機関のエクスポージャー懸念が広がってユーロが売られ、ドルとスイスフランに対し1年1カ月ぶりの安値に沈んだ。

主要6通貨バスケットに対するドル指数<.DXY>は一時、96.794と昨年6月以来の高値を記録した。直近では0.4%高の96.762。

前日に過去最安値に沈んだトルコリラが持ち直し、1827GMT(日本時間15日午前3時27分)時点で6.8%高の1ドル=6.4300リラ。

トルコのアルバイラク財務相が自国通貨相場は上向くとの見方を示したことも、トルコリラの追い風となった。

シリコンバレーバンク(カリフォルニア州)のシニア為替トレーダーは、混乱が完全に収束したとは考えられないと指摘、「最近の下げを受けたほんのつかの間の休息にすぎない」と語る。

ユーロは対ドル<EUR=EBS>で一時、1.1330ドルと昨年7月以来の安値を記録後、約0.7%安の1.13335ドルにやや戻した。

EBSデータによると、ユーロは対スイスフラン<EURCHF=EBS>で1.12660スイスフランと1年1カ月ぶり安値を付けた。対円<EURJPY=EBS>では前日に記録した約10週ぶり安値を上回って推移、直近では0.2%安の126.08円。

トルコリラが反発し、他の新興国通貨も押し上げられた。南アフリカランド<ZAR=>が1%近く上昇、インドルピー<INR=>はこの日つけた過去最安値を上回って推移した。

ウェルズ・ファーゴ証券の通貨ストラテジストは「波及不安の最悪期を脱した公算が大きく、トルコを巡る不安が主要通貨や世界金融市場にさらに影響を及ぼすとはみていない」と話した。

ドル/円 NY終値 111.14/111.17

始値 110.94

高値 111.31

安値 110.76

ユーロ/ドル NY終値 1.1342/1.1346

始値 1.1406

高値 1.1408

安値 1.1331

(表はロイターデータに基づいています)