【大都】後継ぎが結婚条件。瀕死の会社を再生させた“婿社長”の手腕

2018/8/23
DIY。自分の手で家具を作ったりして、自分らしい暮らしを送る「Do it yourself」の略だ。近年、若い世代を中心にDIYがブームになっている。
そのDIYを体験できる店舗「DIY FACTORY」が今、人気を博している。木工や溶接のレッスンを毎日開催し、東京の二子玉川店では芸能人やセレブたちが訪れる。
しかしそのDIY FACTORYを運営するのが、大阪の下町にある中小企業「大都」だと知る人は少ないだろう。
時代に取り残され廃業寸前だった状態から立ち直り、今はDIY文化の普及に燃える大都のストーリーについて、CEOの“ジャック”こと山田岳人氏に聞いた。

娘はやるから会社を継いでくれ

──大都は歴史ある会社だとお聞きしました。
山田 はい。大都は1937年創業で、今年で81年になります。僕の妻の祖父、都築俊男が徳島から丁稚奉公に出てきて、修業を積んだのちに興した工具問屋です。大阪の都築だから「大都」です。
戦争で業務を中断したこともありましたが戦後に再開し、工具メーカーから品物を仕入れ、金物屋やホームセンターに卸すのを生業にしていました。
僕が入社したのは1998年、28歳のときです。妻と結婚するために「お嬢さんと結婚させてください」と挨拶に行ったら、当時社長だった妻の父に「娘はやるから会社を継いでくれ」と言われました。