[2日 ロイター] - 中国向オーストラリア連邦統計局が発表した6月の貿易収支は18億7000万豪ドル(13億8000万ドル米ドル)の黒字となり、黒字額は市場予想の9億豪ドルを大幅に上回った。けの輸出が過去2番目の水準に拡大したことが寄与した。

6月の黒字額は前月比158%増加し、昨年5月以来の大きさとなった。

輸出は前月比2.6%増加。鉄鉱石から金、農産物、工業製品まで幅広い品目が伸びた。一方、輸入は同0.7%減少した。

輸出の伸びは、米国との貿易摩擦が激化する中でも中国の資源輸入が好調だったことが主に寄与した。

アナリストは、オーストラリアの対中輸出の大半は中国が国内で消費する一次産品であり、再輸出されるものではないと指摘した。中国からの観光客や留学生の伸びも鈍化の兆候はみられない。

6月の対中輸出は103億4000万豪ドルと、前年同月比で40%近く増加し、過去2番目の規模となった。

第2・四半期の貿易収支(季節調整済み)は29億豪ドルの黒字で、黒字額は第1・四半期からやや縮小した。

ただ、ウエストパックのシニアエコノミスト、アンドリュー・ハンラン氏は、黒字縮小は数量ではなく価格変動による部分が大きいようだとし、国内総生産(GDP)の押し下げ要因にはならないと指摘。純輸出は第2・四半期のGDPを0.1%ポイント程度押し上げるとの見方を示した。