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「アンドロイド」がオペラ公演!「音楽」「ロボット」「人工生命」第一人者の「楽屋鼎談」

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  • NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 主任学芸員

    観て来ました。最初のオルタはICCでも文化庁メディア芸術祭で展示されていましたが、あの人型を模した、しかし、そのふるまいは一般的な感覚からすると奇異に映りもするものでした。人間のようで人間でないものが日常的に同居するようになったとき私たちがそれをどのように見做すか、という実験でもあった石黒浩のアンドロイドは、さらに池上高志との共同によって人間のようで人間でない、人間のふるまいとは異なる他者としての生命体であることを喚起させるものになりました。そして、あらたなオルタは、他者としての生命であるアンドロイドが人間のオーケストラを指揮し、それとともに歌を歌ったら何がおこるかという実験を行なったのです。

    いわゆる指揮者ではない何者かによって演奏を行なったオーケストラは、その初めての試みにとても素晴らしく対応していました。石黒の言うようにそれによって、アンドロイド指揮者が人間らしさを獲得していく、そのような場面に出会った不思議な高揚感のようなものがありました。

    渋谷慶一郎の音楽はテキストの文字列を音階に変換することでメロディー化していたということで、これはスティーヴ・ライヒのスピーチ・メロディ(しゃべり言葉のイントネーションをメロディに置き換える)の翻案のようで大変興味深うものでした(どう変換されたのかはわからなにのですが)。また、渋谷の選んだスクリプトは実際には字幕を追うことでしか理解はできませんでしたが、アンドロイドを歌い手とすることでよりその意味が顕在化するように感じられました。
    三島由紀夫の『天人五衰』がテキストとして使用されていましたが、『豊饒の海』は主人公の輪廻転生の物語です。それはその原稿が冥界から届けられたかのように編集者に届くように仕掛けられたものでもあるのですが、自分には無意識がないと言った三島由紀夫と指揮者のアンドロイドがオーヴァーラップするようにも思えました。

    オルタと演奏がある種の人間らしさを醸し出した一方で、演奏者と観客が人間であることがネックであるという主旨の話をした池上の言うように、そこに人間による人間のための、という制約がどうしても働いてしまっている、ということも考えさせられるものではありました。


注目のコメント

  • MOTION GALLERY代表 シモキタ-エキマエ-シネマ『K2』 さいたま国際芸術祭2020キュレーター 映画プロデューサー

    『動きが生命をつくる』
    なるほどなと思いました。人工生命がもたらす命とはの問いに凄くしっくり来た概念です。動きから人間は勝手に意味や意志や気持ちを読み取る訳で、ワンパターンではないロボットの動きに命を感じるのもそういうことかも知れません。
    人間で考えても、iPhoneが劇的に世界を変えたのも、その思想やデザインや技術の新しさより、人々の行動を直接的に変えるデバイスだったからだと感じてます。

    そして、ロボティクスが進化し、ロボットの人権問題が議案になる頃にはきっとの『動きが生命をつくる』の見解もまた進んで、生命は動きではなくゴーストを持つ事ではと議論が進んで行きそう、と勝手に妄想しましたw


  • NTTデータ経営研究所 エグゼクティブ・オフィサー

    アンドロイド指揮者の動きに人を感じ、AIと人間が協力して創作した楽曲を人間が奏で、アンドロイドが歌う。それを聴く聴衆が感動する。まさに人間と機械のアンサンブルだ。
    石黒先生はいつも、人間とは何かアンドロイドを研究して人間に近づけていくことで人間を理解するとおっしゃっている。このアプローチで人間、とりわけそのコミュニケーション能力について実に様々なことが明らかになっている。コミュニケーションロボットはもっと人間に近い存在に進化していくのは間違いなく、楽しみだ!
    しかし、今のAI、そしてロボットの限界は、今回の3人の巨匠のような各分野の第一線級のスペシャリストがいて、試行錯誤を繰り返したから、動きも歌唱もより人間の好みに近づけることができるということではないだろうか。人間という教師がいて初めてAIもロボットもヒューマンフレンドリーな存在になれる。
    私たちは無意識に教師無し学習でAIが学習できることよりも、はるかに多い情報量をコミュニケーション(バーバル、ノンバーバル含め)に使っている。
    ホモ・サピエンスが他の動物よりも優れているのは、他に比べて精緻で圧倒的な情報量をコミュニケーション出来ること。
    我々自身が気づいていない無意識にコミュニケーションしている情報とは何か。
    奥が深くて面白い!


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