[北京/上海 19日 ロイター] - 中国国家外為管理局(SAFE)は19日、貿易摩擦による資本フローへの影響を検証する必要があるとし、為替市場の短期的なボラティリティーには変動を緩やかにする「カウンターシクリカル」な措置で対応すると表明した。

ただ、外貨準備は「潤沢」であり、どのような状況にも対応できるとの見方を示した。

SAFEの王春英報道官は記者団に対し「国境をまたぐ資本フローに対するマクロプルデンシャル管理やマイクロレベルでの市場監督を改善し、最適化する」と述べた。

その上で「金融システムの安定や国際収支の均衡を保つため、外為市場の短期的なボラティリティーにはカウンターシクリカルな調整で対応する」と説明した。

王報道官はカウンターシクリカルな措置の具体的な内容については説明しなかったが、アナリストらは中国人民銀行(中央銀行)が人民元に対する一方的かつ攻撃的な投機を容認しないということを警告したものだと受け止めている。

みずほ銀行(香港)のシニアアジア外為ストラテジスト、ケン・チュン氏は王報道官の発言について、通貨当局が人民元の先安観に対して意のままに使える手段を多く抱えていることを示すものだと指摘。「人民元が短期間に急落すれば、人民銀は何らかの行動を取ったり、コメントを出したりするだろう」と述べた。

ただ、同報道官のコメントについては、2週間前に人民元が1ドル=6.7元を付けた際に人民銀の易綱総裁が出したものほど強い内容ではなかったと付け加えた。易総裁のコメントは市場に鎮静効果をもたらしていた。

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