(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)が18日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、6月と7月初めにおいて景気は拡大を続け、労働市場は引き締まった。一方で、関税の影響により製造業者の間で懸念が強まり、一部生産者物価の上昇をもたらした。

ベージュブックによれば、12地区のうち10地区が「緩やか、ないし緩慢」な成長を報告した。今回のベージュブックは、12地区連銀が9日までに収集した情報を基にまとめられた。

ベージュブックでは「全ての地区で製造業者は関税への懸念を表明。多くは価格上昇と供給混乱を報告し、原因として新たな貿易政策を挙げた」と説明。「労働市場はタイトだったと全地区が指摘、また労働者を見つけられない状況から成長が抑制されたと多くの地区が報告した」と加えた。

今回のベージュブックでは、貿易を巡る対立が与え得る影響に米企業が不安を強めていることが反映された。関税が影響し木材と金属の価格が上昇したが、消費者への転嫁は「わずか、ないし小幅」なものにとどまった。

ベージュブックによれば、企業は数多くの面でコスト上昇に直面しており、投入コストの上昇もそのうちの一つ。大半の地区では、雇用主が適任の労働者を見つけるのが困難だったとし、一部地区は企業が労働者の勧誘や保持のために投じる資金を増やしていると説明した。賃金の伸びは緩慢ないし緩やか、と表現された。

一部企業は労働力不足に対し、学校との提携や一時雇用者の正社員登用、就業時間の延長、社員引き留めの取り組み強化で対応した。

原題:Fed Says Economic Growth Holding Up as Trade Concerns Spread(抜粋)

(第3段落以降を追加し、更新します.)

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