[ニューヨーク 16日 ロイター] - ニューヨーク外為市場でドルが下落。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長による経済・金融政策に関する半期に一度の議会証言を17、18日に控え、ポジションを調整する動きが出た。

アナリストによると、パウエル議長は緩やかなペースでの引き締め政策が適切との見解を再表明する公算が大きい。ただ、通商問題に関し何らかの警戒感が示唆されれば、リスク選好の動きは後退する可能性がある。

テンパス・コンサルティングのジョン・ドイル氏は、パウエル議長はお膳立て通りに行動するタイプとし、「2日間の証言の内容は概ね一致することが予想され、明確な手掛かりを示したり、口を滑らせるようなことはないだろう」と述べた。また、パウエル議長が貿易摩擦や、それに伴う金利見通しへの影響などについて発言するか注目するとした。

終盤の取引で、主要通貨6指数に対するドル指数<.DXY>は続落し、94.526。

朝方発表された6月の米小売売上高統計を受け、ドルは下げ幅を縮小する場面もあった。小売売上高は前月比0.5%増と、底堅く伸び、市場予想と一致した。

その他、低調な中国国内総生産(GDP)統計など悪材料も出たものの、世界のリスク選好度は高まった。

ユーロ/ドル<EUR=>は0.2%高の1.1708ドル。ユーロは先週、0.5%下落していた。

また、この日は下落したものの、ドルはなお上昇基調にある。ドル指数は2月に3年ぶり低水準を付けて以来、約8%上昇。世界のリスク選好が後退する中、ドルは過去3カ月では約6%上昇している。

ドル/円 NY終値 112.28/112.31

始値 112.34

高値 112.43

安値 112.23

ユーロ/ドル NY終値 1.1709/1.1711

始値 1.1716

高値 1.1725

安値 1.1695

(表はロイターデータに基づいています)