[北京 13日 ロイター] - 中国税関総署が13日発表した6月の中国貿易統計によると、ドル建ての輸出は前年比で11.3%増加と予想を上回る伸びとなった。ドル建て輸入は14.1%増と、予想を下回った。

貿易黒字は416億1000万ドル。ロイターがまとめたアナリスト予想は276億1000万ドルだった。5月の黒字は249億2000万ドル。

ロイター調査によると、輸出は前年比10%増と予想されていた。5月は12.6%増加していた。

輸入は20.8%増へ鈍化するとみられていた。5月は26%増。

上期の輸出は前年比12.8%増、輸入は19.9%増だった。

中国の貿易は今年、国内外での需要に支えられ好調なスタートを切ったが、米国との貿易問題の深刻化により見通しは不透明になっている。

税関総署の黄頌平報道官は記者会見で、下半期の中国貿易は減速リスクに直面しているとしつつ、政府は困難に対処する能力があると述べた。

アナリストらは下半期に輸出の伸びが鈍化すると予想。債務問題を抱える中国経済にとって一段の重しとなりそうだ。

中国商務省は先月、国内の輸出業者が米国による対中関税適用を見込んで米国向けの出荷を前倒ししていると認めた。年末に向けて輸出の伸びがさらに鈍化する可能性がある。

キャピタル・エコノミクス(シンガポール)の中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンスプリチャード氏はノートで「世界的に需要が幅広く軟化するのと同時に米国の関税が影響し始める中、輸出の伸びは向こう数カ月間に鈍化するだろう」と指摘。ただ、人民元安が一定の相殺効果を発揮するとの見方を示した。

ノムラのアナリストは顧客向けノートで「われわれは輸出の伸び鈍化が経常収支と人民元相場に対する下押し圧力になると見込んでおり、中国が将来開かれる米国との通商協議で譲歩しやすくなる可能性があると考えている」とした。

<6月の対米貿易黒字は289億7000万ドル>

中国の今年上半期(1─6月)の対米輸出は前年同期比13.6%増、米国からの輸入は11.8%増となった。

税関データを基にロイターが算出したところによると、6月の中国の対米貿易黒字は289億7000万ドルで、5月の245億8000万ドルから拡大した。

ロイターが公式データを2008年までさかのぼって算出したところによると、6月の対米貿易黒字額は単月としては過去最高となった。

1─6月の対米貿易黒字は1337億6000万ドル。前年同期の黒字額は約1175億1000万ドルだった。

*内容を追加しました。