[13日 ロイター] - <為替> ドルは対円で引き続き6カ月ぶり高値で推移。また、対スイスフランでは2カ月ぶり高水準となっている。堅調なインフレ指標のほか、ドルが貿易戦争の恩恵を受けるとの市場の見方が下支えした。

円<JPY=>とスイスフラン<CHF=>は安全資産の投資先として選好されるが、米中の貿易摩擦が激化する中、過去1週間は対ドルで弱含んでいる。ドルが貿易を巡る相場変動にも持ちこたえると投資家がみていることが示されている。

テンパス・コンサルティングの外為トレーダー、フアン・ペレス氏は、これについて「米ドルは安全資産としてより大きな役割を果たしている」と指摘した。

ドルは対円で7日続伸し、前日には心理的節目となる112円を1月10日以来初めて突破。この日は112.62円まで上げ、6カ月ぶり高値を新たに更新した。

スイスフランは0.8%下落。1ドル=1フランを上抜け、一時1.003フランを付けた。

BMOキャピタル・マーケッツの為替戦略グローバル主任、グレッグ・アンダーソン氏は、貿易戦争についてドルには好材料だろうと指摘。その理由として、「米国は貿易赤字通貨を保有しており、赤字を減らす方法を見つけ、資金フローが同じならドルにはポジティブになる」と説明した。

ドルは主要通貨に対しても続伸。この日発表された6月の消費者物価指数(CPI)は基調的な物価上昇圧力が安定的に増していることを示し、連邦準備理事会(FRB)は段階的に利上げを進める方針とみられる。

ユーロ/ドル<EUR=>は1.167ドル付近で推移した。

<債券> 国債利回りが小幅上昇。消費者物価指数(CPI)の控えめな伸びや底堅い失業保険申請件数が材料となった。

6月CPIは総合が前月比0.1%上昇と、予想の0.2%を下回った。食品・エネルギーを除くコアは前月比0.2%、前年比2.3%の伸びで、ともに予想と一致した。

今回のCPIは、インフレ率が連邦準備理事会(FRB)の物価目標である2%に近づいているとの見方を裏付けるものだが、パウエルFRB議長はこの日明らかとなったマーケットプレイスとのインタビューで、インフレを巡り「勝利宣言」を行う段階ではないとの考えを示した。

USバンク・ウエルスマネジメントのシニアバイスプレジデント、ビル・ノーセイ氏は「経済指標は上向きの物価トレンドや景気拡大の継続を示すとともに、FRBが利上げを続ける根拠となっている」と述べた。

140億ドルの30年債入札は、最高落札利回りが2.958%と、1月以来の低水準となった。応札倍率は2.34倍と前回6月の2.38倍から低下し、2月以来の低水準。

10年債<US10YT=RR>価格は2/32安、利回りは2.853%。2年債<US2YT=RR>利回りは一時2.602%と1カ月前に付けた2008年8月以来の高水準に並んだ。その後は2.594%。

2・10年債の利回り格差は25.50ベーシスポイント(bp)と2007年中盤以来の水準に縮小した。「イールドカーブのフラット化は通常、投資家がデュレーション(投資資金の平均回収期間)を必要としていることを表す」(シーポート・グローバル証券)ことから、期間がより長めの国債への根強い需要がうかがえる。

<株式> 反発。ハイテク大手が軒並み最高値を更新したほか、工業株も上向いた。

フェイスブック<FB.O>、マイクロソフト<MSFT.O>、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>が最高値を更新。アップル<AAPL.O>やアルファベット<GOOGL.O>も上昇し、S&P総合500種とナスダック指数を押し上げた。

貿易摩擦の事業への影響が懸念されて売られていたボーイング<BA.N>やキャタピラー<CAT.N>も1%超上昇し、ダウ指数を押し上げた。

<金先物> 安値拾いの買いなどに支えられ、小反発した。中心限月8月物の清算値は前日比2.20ドル(0.18%)高の1オンス=1246.60ドル。

<米原油先物> 需給引き締まり期待などを背景に買いが先行したものの、リビア産原油の輸出再開の の動きを嫌気した売りなどが出て、ほぼ横ばいとなった。米国産標準油種WTIの中心限 月8月物の清算値は前日比0.05ドル(0.07%)安の1バレル=70.33ドル。9月物の清算値は0.49ドル高の69.35ドル。