[北京/上海 5日 ロイター] - 米自動車大手フォード・モーター<F.N>は5日、中国で「フォード」および「リンカーン」ブランドの値上げは足元で計画していないと発表した。6日発動となる米中の追加関税に絡むコストを価格に転嫁せず、吸収する方針。

米国から中国に輸入される自動車も今回の追加関税の対象となるが、フォードは声明で「メーカー希望小売価格(MSRP)を引き上げる計画はない」とした。

自動車メーカーで追加関税の発動を前に販売価格を巡る方針を示すのは初のケース。

フォードが中国国内で販売する車両は、合弁パートナーと現地で生産されたものが大半を占めるが、高級車ブランドの「リンカーン」については、北米からの輸入車。昨年のリンカーンブランドの中国販売台数は前年比66%増だった。

フォードはまた、米中両政府による問題解決を訴えてきたとし、引き続き状況を注視していくとした。

競合の米ゼネラル・モーター(GM)<GM.N>の広報は、中国国内で販売するほぼ全ての車両と部品は現地で生産していると指摘しつつも、「シボレー・カマロ」など一部車両は輸入車で、対策を検討しているとした。

他の自動車メーカー大手では、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)<FCHA.MI><FCAU.N>も大半を現地生産しているが、「ジープ」ブランドなどは輸入している。FCAはコメントを差し控えている。

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