[ニューヨーク 3日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが下落。独立記念日の祝日を控え、最近の上昇を受けた利益確定売りが膨らんだ。この日は貿易摩擦への懸念が一服。リスク選好度が高まり、資金がユーロや豪ドルなどの通貨にシフトする動きとなった。
中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁が外為市場の最近の変動を注視しているとし、人民元を安定的かつ妥当とされる水準に維持することを目指すと発言したことも、市場心理の改善に寄与した。
スコシア銀の首席為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「センチメント改善はリスク選好度押し上げに幾分寄与したが、4日の米祝日と6日の米中関税発動を控え、為替市場では様子見気分が強かった」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は午後の取引で0.4%安の94.604。
ユーロ/ドル<EUR=>は0.2%高の1.1655ドル。ドイツで連立政権が移民問題を巡る溝を解消し、合意に漕ぎ着けたことが好感された。
中国の動向に左右されやすい豪ドル<AUD=D3>は0.5%高の0.7376米ドル。
過去10営業日下落していた人民元相場<CNY=CFXS>も、人民銀行総裁の発言を追い風に反発した。
市場では、米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げ回数を巡る手掛かりを得ようと、週内に発表される6月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、6月の米雇用統計に注目が集まる。
クレディ・スイスの為替戦略グローバル主任、シャハブ・ジャリヌース氏は「短期的な政治および金融政策動向がドルの勢いを削ぐことは想定していない」と指摘。「6日発表の米雇用統計については、賃金の伸びが大幅に予想外れの結果とならない限り、見通しを変更させることはないだろう」と述べた。
ドル/円 NY終値 110.58/110.61
始値 110.85
高値 110.86
安値 110.51
ユーロ/ドル NY終値 1.1655/1.1659
始値 1.1646
高値 1.1667
安値 1.1642
*表を更新しました。
(表はロイターデータに基づいています)