円資産、世界の外貨準備で急減-ドル・円ベーシスの動き影響
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細かいことを言えば、
海外の中央銀行は円建て資産購入と同時にアセットスワップを掛けて自国通貨転します。具体的には日本国債を100億円購入すると同時に円をショートしてドル(などを)ロングします。円の資産を実質的にドル資産にすることが可能です。理論的にはこのときの円金利の価値はドル金利の価値と同じでないといけないのですが、ドル資金のニーズが強いためにベーシス金利が上乗せされます。結果マイナス金利の資産がドル金利+ベーシスという利回りになります。このベーシスが1%ぐらいあると普通に米国債を運用するより1%利回りがよいために、この取引がこの5年ぐらいは人気でした。僕も一千億円以上ポジションを持っています(リターンに対するリスクが低いのです)。
直近でドル資金に対するニーズがなくなったため、急激にこの妙味が薄れてしまいました。結果として、このようなアセットスワップを使った中央銀行による運用(財テクといっても差し支えないと思います)は行なわれないようになってしまいました。
この背景にあるのは日本の地方金融機関が①実質的な金融庁による外貨リスクをとらないようにという指導、②FRBによる短期利上げによる為替ヘッジコストの上昇、③BISの規制強化という3つの理由により急激に外貨金利へのエクスポージャーを減らしたからです。今後この流れが更に加速すると思われるので、引き続きベーシスは縮小方向(縮小維持)ということで問題ないかと思います。外貨準備は、通貨価値安定のための為替介入や通貨危機等による外貨建て債務の返済困難に備えて持つ外貨の資産。どうせなら効率よく稼ぎたい、というのも分からないではないですが、「各国・地域の中央銀行や財務省などの外貨準備管理当局」がこの手のある種投機的な運用に重きをおいているとしたら、あんまり健全なこととは言えないような気がするけれど、どうなんでしょう・・・ (-.-)ウーン