[東京 3日 ロイター] - 日銀が3日に発表した6月調査の日銀短観における「企業の物価見通し」によると、企業が想定する消費者物価指数(CPI)は平均で1年後が前年比0.9%上昇となり、前回3月調査の同0.8%上昇からプラス幅が小幅拡大した。3年後と5年後は変化がなかった。実際の物価と同様に企業のインフレ期待も緩慢な動きが続いている。

1年後のCPI見通しが前回調査に比べて上昇するのは2四半期ぶりで、同0.9%上昇は2015年12月調査の同1%上昇以来の高水準となる。それでも2014、15年に1%を上回っていた1年後の企業の物価見通しは、その後ゼロ%台後半での推移が続いており、インフレ期待の明確な高まりはうかがえない。

3、5年後はともに同1.1%上昇と横ばい。3年後は5カ月連続、5年後は7カ月連続で同水準となっている。

日銀では、インフレ期待について「横ばい圏内で推移している」と判断しているが、先行きは「上昇傾向をたどり、2%程度に向けて次第に収れんしていくとみられる」としている。

もっとも、インフレ期待は実際の物価動向の影響を受けやすいとみており、足元の物価が日銀の想定を下回っている中で、インフレ期待も高まりにくい状況にある。

同時に公表した各企業の主要な製品・サービスの販売価格見通しは、現在と比べて平均で1年後が0.7%上昇、3年後が1.2%上昇と前回と変わらず。5年後は1.5%上昇とプラス幅が0.1%ポイント拡大した。

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