[28日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>は28日、オンライン薬局のピルパックを買収すると発表した。ヘルスケア事業拡充に向けた新たな動きとなる。買収価格は明らかにしていない。

買収は今年下期に完了の見通し。

ピルパックは、処方せん薬を服用しやすいようにまとめ、宅配するサービスを提供。複数の慢性的な症状を抱える患者などを顧客とし、米50州で事業ライセンスを取得している。

米ウォルマート<WMT.N>もピルパック買収に関心を示していたもようで、CNBCは4月、10億ドルを下回る価格での買収を検討していると報じていた。

アマゾンの発表を受け、ドラッグストアチェーンや医薬品卸売銘柄が軒並み下落した。CVSヘルス<CVS.N>は約6.1%安。一時10%下げた。米ドラッグストアチェーン最大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス<WBA.O>も10%近く下げた。

マッケソン<MCK.N>、カーディナル・ヘルス<CAH.N>、アメリソースバーゲン<ABC.N>も大幅下落した。

アマゾンは今年1月、JPモルガン・チェース<JPM.N>、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ<BRKa.N>と共に、3社の米従業員の医療費を削減するための会社を設立すると発表した。

1週間前には、この会社の最高経営責任者(CEO)に外科医で作家のアトゥール・ガワンデ氏を起用する人事を発表した。

グローバルデータ・リテールのマネージング・ディレクター、ニール・サンダース氏は、アマゾンのピルパック買収は、医薬品販売業界でまさに起ころうとしている大きな戦いにへの威嚇射撃のようなものだ、と指摘した。

*内容を追加しました。