[シドニー 21日 ロイター] - オセアニア外国為替市場では、ニュージーランド(NZ)ドルが6カ月ぶり安値を付けた。この日発表された経済指標で、同国の経済成長の減速が示されたことから、当面利上げはないとの見方から売られた。

NZドル/米ドル<NZD=D4>は0.6840米ドル。国内総生産(GDP)が弱い数字になると見込んでいた投機筋の売りで、過去24時間に約1%下げていた。

一時、昨年12月以来の安値となる0.6832米ドルを付けた。直近の支持線は0.6813/30米ドル。それを割り込めば2017年底値(0.6781米ドル)が支持線となる。

豪ドル/米ドル<AUD=D4>は1年ぶり安値をわずか上回る水準の0.7363米ドル。

ニュージーランド(NZ)統計局が発表した第1・四半期のGDPは、季節調整済みで前期比0.5%増となり、2017年第4・四半期の0.6%から伸びがやや鈍化した。前年比の伸び率は2.7%と、17年第4・四半期(改定値)の2.8%から減速した。

GDPがさえない数字となったことから、NZ準備銀行(中央銀行)は来週の政策金利設定時にハト派姿勢を示すとアナリストは予想している。

また、オーストラリア準備銀行(中央銀行)も政策変更を急いでいないとみられる。中銀のロウ総裁は20日、ポルトガルで開催された欧州中央銀行(ECB)年次フォーラムで、今後の賃金の伸びについて慎重な見方を示した。

総裁は、物価の伸びを押し上げることにはリスクと副作用が伴うため、世界の中央銀行は当面はインフレ率が目標を下回ることを容認する必要があると説明。「当面はインフレ率が望ましい水準よりやや低くなることを容認する必要がある可能性がある」と述べた。

豪国債先物は、3年物<YTTc1>が2ティック安の97.845、10年物<YTCc1>は3.5ティック安の97.3050。