[北京 14日 ロイター] - 中国国家統計局の発表に基づくロイターの算出によると、5月単月の中国不動産投資は伸びが鈍化しながらも高水準にとどまった。また、不動産販売は約1年ぶりの大幅な伸びになるなど、市場は底堅さを保っている。

不動産市場は中国経済の主要な成長エンジンの1つだが、購入抑制策の強化や借り入れコストの上昇を背景に見通しについては懸念がある。

5月単月の不動産投資は前年同月比9.8%増と、4月の10.2%増から鈍化した。統計局が発表した1―5月の不動産投資は前年同期比10.2%増となった。

デベロッパーの信頼感を示す新築着工(床面積ベース)は5月単月では前年比20.5%増と、4月の2.9%から急加速。1─5月の新築着工は10.8%増加した。1─4月は7.3%増だった。

5月の不動産販売(床面積ベース)は8%増と、2017年6月以来の大幅な伸びを記録した。4月の4.1%減から増加に転じた。比較的小規模な都市で販売面積が増えた。

1─5月の不動産販売は2.9%増で、1─4月の1.3%増から伸びが加速した。

商業用不動産サービス会社、JLLチャイナの調査部門責任者、ジョー・チョウ氏は「不動産販売の急増は、開発業者の資金調達圧力が強まっていることが主な要因かもしれない。新規販売に関する価格の上限があるにもかかわらず、資金を得るために発売を急いでいるようだ」とした。

一方、不動産投資の伸び鈍化は建設活動の減速を反映した。ただ、規模が小さめの都市で需要が高まるなか、開発業者による土地取得や販売の勢いは衰えていない。

碧桂園(カントリー・ガーデン)<2007.HK>や中国恒大集団<3333.HK>といった開発大手は1─5月期に堅調な販売実績を公表している。一方、深センなど複数の都市は5月に住宅価格抑制に向けた新たな措置を打ち出した。

JLLチャイナのチョウ氏は「長期的には、開発業者はそれほど楽観的ではなく、投資と販売は借り入れ条件の厳格化を背景に減速するだろう」と述べた。

*内容を追加しました。