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「明らかに、この数年で、日本の成長が1週回ったという感触がある」

特集の取材でお会いしたJリーガーの一人がこう打ち明けていました。確かに、1990年代のJリーグが発足してから、選手たちの欧州移籍、活躍を通して、常に右肩上がりだった日本のサッカーの進化が、止まってきた感触を受けている人は少なくないのではないでしょうか。

その要因は、様々な側面があるでしょうが、今回の取材では、世界の一流サッカージャーナリストと、スポーツ経済学者に、より大きな視点での分析を聴いてみました。
非常に示唆的な内容。特に先進国のイノベーションと、後進国のキャッチアップは目から鱗でした。

「日本らしいサッカー」というと、多くの人が「パスサッカー」と答えます。しかし、個人的には、これはアジアで主導権を握った試合において、勝てる試合をやっている時の印象論でしかないと思います。

日本が世界に対して一石を投じられるのは、2006年ドイツ大会前のドイツ戦の2-2の試合、また2008年に本田が台頭したオランダ戦、ガーナ戦のような、ハイプレッシングを行った試合。その点で、記事中のゲーゲンプレスは日本が体得できれば、世界に旋風を起こせる可能性は大いにあると思います。

実際、ゲーゲンプレスの創始者、ラングニックの系譜を汲む指導者の、クロップのもとで香川真司、トゥヘルのもとで、マインツ時代の岡崎そして現在は香川真司、マルクス・ギズドルのもとで、ハンブルガーSVの酒井高徳と伊藤達也、ペーター・ツァイドラーのもと、レッドブル・ザルツブルクの南野拓実が、そして、内田篤人はシャルケでラングニックから直接指導を受け、羽ばたいています。

かつて、ドイツ人のデットマール・クラマーが日本に近代サッカーを持ち込み、東京オリンピックでベスト8の快挙を果たし、メキシコオリンピックでは銅メダル。その後、やれブラジルだ、やれスペインだと、個人の技術に依拠した、夢サッカー展望が展開されましたが、今こそ、クラマーに立ち返り、ルーツのドイツを見てもいいのではないでしょうか。
日本サッカー界にとって、ものすごく大きなヒントを与えるインタビュー。「ある一定のレベルを達成した後も成長を続けるには、『イノベーション』が必要になるのです」。そのイノベーションは西欧が独占していると。

日本サッカーは西欧から学びつつ、真似しつつ、そろそろ独自のイノベーションを起こさないといけない、とあらためて感じさせられました。

そういう点で、個人的に期待しているのは、広島在住のトレーナー、西本直さん。http://nishimotoriron.blog.fc2.com/ ピッチ上に現代の忍者を生み出してくれるのでは、と。
進化はたしかにあった。
しかし、進化しても変わらない部分もあった。
そこがいま足かせになっている。

大きいのは育成面。
指導者不足、指導者を育てる指導者も不足。
そして前時代的な部活。

部活をなくすくらいやらないと、この先は無理。
成長なくして、目の前の小さな感動を求めるだけ。
「それは「ミドル・インカム・トラップ」と呼ばれるものです。
例えば、国民所得が低い国は、とにかく投資を続け、先進国を真似れば、急速に成長が進んでいくのですが、ある一定のレベルを達成した後も成長を続けるには、「イノベーション」が必要になるのです。」

たしかにこれは面白い視点。
逆に言うと柔道みたいな日本が発祥のスポーツでイノベーションが起こせていないのではないか?

とはいえ、2009年に「アメリカ、日本、中国の3カ国は世界のトップに立つだろう」と言って、思いっきり外した人のコメントだからなんだか微妙な感じもしてしまう。
スペインでサッカー現場に関わっている身として思うことで、ヨーロッパ人は進化しないことに関して「恐れ」を抱くということ。それは競争の原理原則がサッカーには働いていることを感覚的に理解しているので、何か新しいことをしないと自分たちが滅亡してしまうのでは、という危機感を持っている。
サッカーの現場でもどんどん新しいことを考え出して、外の情報を取捨選択して生き残っていこうとしているのがヒシヒシと伝わってきます。
しかし、このメンタリティを日本人に植え付けるのは簡単ではない。自分も将来、日本のチームを指導する時には悩まさせる要素だと思う。
サッカー門外漢という前提でのコメント…

単純にミドル・インカム・トラップ(中所得国の罠)が出てくることが面白かった。
加えて、「サッカー的高所得国」が、イノベーションを続けてサッカーを進化させているのが興味深い。経済自体では100年単位の動きで見れば、例えばここ100年ほどは中国が世界経済をリードしていない稀有な時期(そして今はそのキャッチアップ中)だったし、イギリスやスペイン、イタリアといった国の興亡、アメリカが一気に拡大していってトップに躍り出て今もトップといった歴史もある。トップを守れる国や没落していく国が経済であったように、サッカーではどうなっていくのだろうか。

個人的な印象として、日本がW杯に出ることが当たり前になってからは、個の力の重要性が徐々に強まっていると思っている。そして、海外で個として活躍する選手は増えている。
一方、記事のグラフから見えるように、ランキング的には「単振動」を繰り返して、むしろ最近はズリズリと下がっている。
そして、本連載ではデータやそこから得られる示唆を戦術としてどれだけ早く落とし込み、成熟度を上げていくことが重要かが一貫して様々な識者が述べていると思う。そういう意味では、個の強さは一定重要だが、むしろアップデートすべきは戦術とか監督・協会起因のマネジメント的なものな気がする。

海外からトップ指導者をいきなり持ってくるか。もしくはそれが現実的でない(いきなりランキング50位以下が常態化している国の監督になるか、という話)なら、日本の指導者で一番現代の戦術・戦略に造詣が深いのは誰だろうか?
W杯特集でGAFAの名前が出てくるとは。確かにゲーゲンプレスはイノベーションですね。「強迫的なサッカーへの偏愛」を日本人にどうやって根付かせるのか。相当な難問だ。それにしても、ロナウド凄かったね。
人口、GDP、国際経験の3要素とサッカーの強さが強い相関関係を持つ。サッカーの覇権は西欧から米中日に移る。--この仮説はもっともらしい。だが同時に、現在サッカーのGAFAは西欧で、イノベーションが独占されているという指摘もうなづける。日本はどう動くべきかを含め、示唆に富む記事。
経済的マクロトレンドと一緒というのは面白い。
「中進国の罠」問題がサッカーにも当てはまるんですね。

ここ最近の差がテクノロジー利用によるPDCA速度の差だとすると、キャッチアップはそんなに難しくないはず。
多くの場合、若い人の方が柔軟性が高いので、若い監督のチームでまずはJリーグから変われるといいですね。

ただ、レベルの高い試合における反省という観点では、今のJリーグの平均レベルをあげるのは一朝一夕ではできないので、いかにヨーロッパなどの一流同士の試合経験を積ませるかは難しい課題。
この連載について
6大会連続でW杯に出場するサッカー日本代表。本大会直前で監督交代劇が勃発するなど、この4年間、チームづくりは決してうまく進まなかった。日本代表は世界とどれくらい距離があるのか。「奇跡」を起こすにはどうすればいいのか。元代表選手や識者とともに掘り下げる。